日本酒・四国紀行

Kinryouこの日本酒は、四国高松に行った時に買い求めたものです。
「四国紀行」というネーミングから分かるように、観光客をターゲットにしたものと思われます。ビンはブルーに着色され、中身が分かるように透明のプラスチックのケースに入っていました。酒屋の棚には各種日本酒が並んでいましたが、直ぐに目につきました。
酒造としては『作戦成功!』でしょう!
私はウン十年前に高松に住んでましたが、その頃から「金陵」と言えば香川県ではよく知られた銘柄です。さてこの「金陵」はこんぴらさんで有名な金刀比羅宮のある琴平町の西野金陵株式会社が出しています。その歴史は古くて江戸時代にまでさかのぼります。創業は江戸時代、元和元年(1616年)に鶴羽屋という酒造家が創めたと言われていて、その後寛政元年(1789年)に八代目西野嘉右衛門が買い受けて「金陵」を発売したそうですから、「金陵」という銘柄だけで220年余も続いている訳で驚きです。なお「金陵」という名前は、江戸時代の儒学者頼山陽が金刀比羅を訪れて中国の古都金陵を想わせるものがある、と称賛した故事によるそうです。
なかなか由緒ある銘柄です!!
Kinryou2さてこの「四国紀行」は讃岐の酒米オオセトを使っています。
このオオセトは20年をかけて開発された香川県を中心とする酒米専用種で、適性は山田錦には劣るものの性質を熟知し使いこなせば違った魅力を引き出せる、として地元生産者が大切に作っています。そして日本酒にかかせない水は、金毘羅宮のある象頭山(ぞうずさん)の湧水や多度津工場のある葛原(かずはら)八幡神社の湧水を使っているそうで、まさに「地元の味」のある日本酒だと思います。
早速ぬる燗で飲んでみました。
匂いは純米酒らしい芳醇な甘い、でもちょっと刺激を感じる香りがしました。最初口に含むと少し甘みを感じましたが、全体にまろやかな甘みがあってしかも辛口の酸味も感じられ、のど越しはスッキリした辛口の余韻が残る味わいでした。

Sanukiudon【余談】 したたかに上手い酒を飲みました。
      さて仕上げは・・・と、讃岐のお酒には讃岐うどんでしょう!!! と言うことで讃岐うどんを食べました。
最近私は坂出市の「日の出製麺所」のうどんを食べてます。これは半生で麺はやや細めだけとコシがしっかりとして、讃岐うどんらしいうどんです。ありものの天麩羅を入れただけの「うどん」ですが、なかなか美味でした。
お酒のあとの讃岐うどん!格別ですよ!!

[メモ] 15度以上16度未満、精米歩合58%、酒度-1.0、酸度1.4
     西野金陵株式会社
     香川県仲多度郡琴平町623番地

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日本酒・梅錦 熟成純米酒

Umenishikiここ一カ月余り、歯痛に悩まされてます。
歯と歯肉の間にポケットが出来、そこに食べ物などが入り込み歯肉が炎症を起こしているのです。しかも奥歯が4か所も・・・・冷たい水や熱いお湯を飲むとき、飛び上る位に痛みが走ります。困ったのが飲酒です。お湯割りの焼酎は飲めないし・・・ウィスキーのロックはもってのほか・・・・このブログの更新も滞りがちです。
・・・そこで考えたのが、日本酒をぬる燗で飲んでみること!丁度昨年松山に行ったときに買った「梅錦 熟成純米酒」がありました。
さてこの「梅錦 熟成純米酒」は、四国・愛媛県の東部、香川県に近い四国中央市にある梅錦山川株式会社が、常温の貯蔵庫で2年以上タンク貯蔵したものです。
ところで四国中央市とは聞きなれない市ですが、平成の大合併で2004年に旧川之江市、伊予三島市、土居町、新宮村が合併してできた市です。そして旧川之江市の山側には西日本の最高峰石鎚山系の伏流水があり、酒造りに適しており明治5年に初代山川氏がこの地に創業したのが、現在の梅錦山川の前身です。この酒造は酒造りに定評があり、平成18年には全国新酒鑑評会で30回目の金賞を獲得しています。
「梅錦 熟成純米酒」はどんな味わいでしょうか?
裏のラベルには、日本酒度+4.5、酸度1.6、精米歩合65%、となってました。
この数値から、一般的には糖分が少なく酸度が高い・・・淡麗辛口系の純米酒であるといえますが、ぬる燗にすると実際にはどうなんでしょうか?
・・・・香りは少し甘さを感じたので甘口かな?と思ったのですが、口に含むと辛口であっさりした飲み口でした。全体に柔らかいふくよかな感じの純米酒でした。

【余談】 15年位前に私は松山・道後温泉の近くに住んでいたことがあり、路面電車で通勤してました。ある時、乗り合わせた観光客の一団が『夕べ飲んだ「ばいきん」はおいしかったなぁ・・・』と話しているのが聞こえてきました。『・・・??? バイキン?・・・ばい菌?』何だろう?お酒の話題みたいだけどと思って・・・あっそうだ「梅錦」のことだ!!と気がついたのです。当時はまだ「梅錦」は全国区ではなかったとおもいますが、今はどうでしょうか。
去年から今年にかけてテレビで「坂の上の雲」や「龍馬伝」など松山や四国に関係したドラマが放送されてますから、観光客が訪れて「梅錦」の知名度が上がることを期待してます。

[メモ] 15~16度、山田錦100%使用、
    梅錦山川株式会社
    愛媛県四国中央市金田町金川14

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日本酒・九頭龍(くずりゅう)

Kuzuryu日本酒のだいご味はお燗をすることかもしれません。熱燗、ぬる燗、人肌燗など、お燗の温度を表す言葉もなかなか良いものです。
お燗をする方法の一番簡単なのは、徳利にいれて電子レンジで『チン』ですが、ちょっと風情が無いですね。そこでお湯でお燗をしてみようとしましたが、結局我が家では沸騰したやかんに徳利を入れる、という風情という点では電子レンジと変わらない方法になってしまいました。
今日飲んだのは、福井県黒龍酒造の燗酒「九頭龍」で、知人からのいただきものです。
Kokuryu1黒龍酒造は、文化元年(1804年)創業といいますから200年余り続く老舗です。写真を見ると「黒龍」という大きな名前の横に「石田屋」という屋号があります。これは創業者の初代石田屋二左衛門にちなんだもので、手造りを基本とした酒造りをしています。
地図で見ると、永平寺町は福井市の隣りで九頭龍川沿いにあり、有名な大本山永平寺があります。酒造のある永平寺町松岡は良質の水(九頭龍川の伏流水?)に恵まれ、江戸時代に松岡藩が酒造りを奨励したこともあり全盛期には17もの酒造があったそうです。でも残念ながら今は2つになってしまったとのこと。
この酒造では、いろんな日本酒を造っています。「こだわり」、「つう」、「季節」、「燗」、「祝」、そして「出会い」と、テーマを決めて酒造りをしていると見受けました。今回いただくのは燗酒ですが、酒造によると『55%までみがいた酒米を低温発酵させ長期熟成した。このため温めることでふくよかな米の旨味とぬくもりのある味わいを愉しめる』そうです。
さて早速飲んでみましょう!
私は「ぬる燗」がすきなので、沸騰したやかんに徳利を入れて温めてみました。
・・・「ぬる燗」と言っても、まぁ自分で「ぬるい」と感じればいいので数分後取り出して飲んだんですけど・・・
ふわっとした香り・・・なかなか良い感じ・・・。口に含むと舌先に辛味を感じ、のど越しは柔らかで少し辛口の余韻が残りました。
とても良いですねぇ!!! こうした酒は、福井に行って温泉に入り、その土地の料理(越前ガニ、若狭ふぐ、等)と共に味わえたら最高でしょうね!!!

余談  お燗について
居酒屋に行くと日本酒は冷酒で飲む人が多いと思います。冷やすと口当たりは良いし、何杯でもいけるし・・・でも燗することで引き立つ日本酒もある筈で、燗の温度を違えて味わいの変化を愉しむのも良いと思います。特に「ぬる燗」や「人肌燗」は人間の体温と近いので「舌の感覚が一番敏感になる」そうですから。
・・・とは言っても、私が社会人となった時(もう40年ほど前ですが・・・)、当時日本酒は特級、1級、2級と区分されていたのですが、『なぁに、2級酒だって熱燗にすれば特級と同じだ!!』と豪語していた先輩がいましたっけ・・・。私は『なるほど、そんなものか!?』と思ってましたが、今では『それは熱くて感覚が違ったのだろう!!』と突っ込みを入れたくなります。
まぁ、熱燗でぱぁっと日本酒の強い香りを愉しむという人がいてもそれはそれで良いとは思いますけど、私はこれからも「ぬる燗」でいきたいと考えてます。

[メモ] 14.5度、純米吟醸燗酒、杜氏 畑山浩
     黒龍酒造株式会社
     福井県吉田郡永平寺町松岡春日1-38
     Tel 0776-61-6110

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日本酒・くどき上手(純米大吟醸)

Kudoki新年あけまして、おめでとうございます。
2010年が始まりました。今年はどんな年になるのでしょうか?
景気が少しでも上向いて欲しいですね!!
さて、お正月ですから飲むのはやはり日本酒でしょう!!・・・ということで、先ず選んだのは『くどき上手・純米大吟醸』です。このお酒は、山形県鶴岡市の亀の井酒造のもので、この『くどき上手』だけで勝負してます。
亀の井酒造は明治8年(1875年)創業といいますから、かれこれ130年程になります。もともとは「亀の井」という銘柄で地元を中心に販売していたのを、昭和59年(1984年)に首都圏向けに「くどき上手」を展開して成功したとのことです。
さてこの「くどき上手」の『くどく(口説く)』を広辞苑で調べてみると、①繰り返しいうこと、②心の中を訴えること、③(異性に対し)自分の意に従わせようと説き迫ること。となっています。③はかなり生々しいですね。酔った勢いで若い女性を口説いて、『セクハラだ』と非難されたおじさんを知ってますが、これは③の悪い例でしょう。女性に対しては②で行かなくては・・・当然お酒は飲まずに・・・「くどき上手」を飲んだからといってうまくいく筈がありません・・・念のため!!
Kudoki2話がそれましたがこのネーミングは酒造によると、戦国武将に敵の武将から領民に至るまで誰にでも武力だけでなく誠心誠意説き伏せて魅了する人物がいた、という故事から名前をつけたとのことです。これは正に②の良い例ですね!私自身こうありたいと思いますが・・・
さてこの「くどき上手」ですが、同じ純米大吟醸でも酒米を変えて数多くの「くどき上手」が出ています。
例えば、雄町(岡山)、美郷錦(秋田)、羽州山田錦(宮城)、亀の尾(新潟、山形)、出羽燦々(山形)、酒未来(山形)、愛山(兵庫)、などなど・・・(なおカッコ内は酒米の原産地を示しますが、これは上原浩著『純米酒を極める』(光文社新書)に従ってます)。これらの「くどき上手」をそれぞれ飲んでみるのも楽しいかもしれません。
前置きが長くなりましたが、どんな味わいでしょうか?!
「要冷蔵」となってましたので、冷蔵庫から取り出して飲んでみました。
冷えているので香りは強く感じませんでしたが、ほんのりと米麹の甘い香りがしました。口に含むと舌先に柔らかい嫌みのない甘さを感じましたが、のど越しも柔らかであっさり系、スッキリ系でした。
う~ん、うまい!正月早々、美味しいお酒が飲めて幸せでした。

[メモ] くどき上手(純米大吟醸) アルコール分:17度以上18度未満
     原料米:出羽の里100%、精米歩合:44%
     使用酵母:小川・1601、 日本酒度:-1.0、酸度:1.3
     亀の井酒造株式会社
     山形県鶴岡市羽黒町戸野福の内1番地

   注:原料米(酒米)の出羽の里は、山形県産の酒米「出羽燦々」の2世、子供にあたります。

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第100回情熱の酒を楽しむ会

Ajiwaukai1いゃー、酩酊しました。!
今宵は調布のホテルで開かれた「第100回熱き醸造家たちが醸す情熱の酒を楽しむ会」に参加して、今帰ってきたところです。
この会には、東京・狛江市にある籠屋・秋元商店が中心となった「狛江で美味しい地酒を楽しむ会」が主催したもので、全国から北は青森県から南は九州・佐賀県まで23の蔵元が参加したのです。
会場に入って先ず驚いたのは、年配の人よりも若い人が多かったことです。特に若者では女性が多かったように思います。100回も続いた回ですから、長年の努力・実績によって若者まですそ野が広がったのでしょう!
Ajiwaukai3さて会場に入ると先ず入口で「お好きなおちょこ(ぐい飲み)をお取りください」と声をかけられました。私は青みがかったぐい飲みを選びました・・・『これに並々と注がれたら、撃沈してしまうな』と思いながら・・・。
で、この杯を片手に各酒造が陣取ったテーブルで自分の飲みたい銘柄を指名して試飲をする仕組みです。
では早速蔵元遍路をしてみましょう!!
先ずは北から・・・ということで酒処宮城県の平孝酒造の「日高見(ひたかみ)」から、次に「〆張鶴、宮尾酒造・新潟」、「乾坤一(けんこんいち)、大沼酒造・宮城」、ちょっと戻って岩手の「南部美人、南部美人酒造」、「くどき上手、亀の井酒造・山形」、・・・とどんどん南下して「五凛(ごりん)、車多酒造・石川」、「蒼空(そうくう)、藤岡酒造・京都」、そして山陰の「李白(りはく)、李白酒造・島根」、九州に渡って「天吹(あまぶき)、天吹酒造・佐賀」、最後に「万齢(まんれい)、小松酒造・佐賀」・・・と、参加された23の酒造のうち10の酒造をめぐって、私の旅は終わりました。
Ajiwaukai2この会の特徴は、お酒を造っている蔵元の方に直接話を伺うことが出来ることでしょう。そして同じ酒造でも酒米の違いや醸造の違いによるお酒の特徴を教えてもらえることですね!
ところで李白酒造の田中さんと話をしていたら、昨年NHKの朝ドラ「だんだん」(ありがとう!の意味)で島根県の酒造が出てきましたが、その若主人が田中さんをモデルにしていたとか・・・こうした話を聞くことが出来るのもこの会の良さかもしれません。
印象に残ったのは、全体として蔵元の皆さんが若い・・・多分30代が中心かと・・・ことでした。そしてそれぞれの酒造で様々な工夫を重ねていることでした。例えば、酒米も有名な山田錦や雄町だけでなく愛山、山田穂(これは山田錦のお母さんにあたる)など、いろんな酒米があることを知ることが出来ました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それにしても、10軒も酒造をはしごしたのは初めての経験でした。
ほんの少し味わうだけだけど、チリも積もれば山となる、かなりのお酒を飲んでしまいました。
いゃ~、よか晩でした!!では、お休みなさい・・・・・zzzzzz

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日本酒・摂田屋 特別純米

Settaya先日出張で新潟へ行ってきました。
新幹線を使った日帰り出張で私にとって初めての新潟でしたが、東京・新潟間が2時間で思ったよりも近く感じました。ただ今回の出張は、昼前に着いて午後1時から5時半まで打ち合わせ、6時過ぎには帰りの新幹線に乗るという強行軍でした。新潟駅の売店の棚に「県内限定」と書いてある酒が目にとまり即座に購入したのが、今日紹介する長岡市吉乃川株式会社の「摂田屋 特別純米」です・・・出来れば新潟の酒をじっくりと選んで買い求めたかったのですが・・・
Settaya3「摂田屋」って面白い名前だな・・・と思い調べてみると地名なんですね!摂田屋って!!JR長岡駅から上越線で東京よりに次の停車駅宮内駅。そこから歩いて10分くらいの場所に古くから醸造の町として「摂田屋」という地区があり、現在では北側地区に酒のサフラン酒本舗と吉乃川、醤油造りの越のむらさき、南側地区には手作り味噌の星六と星野本店、「雪紅梅」の長谷川酒造、等があるとのこと。摂田屋の地名は、無料休憩所「接待屋」に由来しているそうです。
この吉乃川株式会社は、天文17年(1543年)、上杉謙信が春日城に入城した年に創業したと言いますから400年以上になる、まさに老舗の酒造です。
さて新潟は酒造りに最適の条件がそろっていると言われてます。
第一に、米どころ!良質の酒米の産地であること。この「摂田屋」は五百万石という酒米を使っています。
第二に、水!新潟の水は軟水で、山に降った雨や雪が地面にしみ込みわき水となる。
第三に、気候!酒を仕込む時期、冬の寒さ・気温差が少ない気候は麹菌や微生物には適した環境となっている。
そして最後に、酒を仕込む技術者集団である「越後杜氏」の存在でしょう!
Settaya2県内限定の「摂田屋 五百万石特別純米」!早速飲んでみました。
先ずはぬる燗で・・・ほんのり純米の甘い香りがして、口当たりはまろやかでした。のど越しに少し辛口の余韻が残りましたが全体に優しいテイストでした。香りとお酒の旨みがほど良くバランスしていました。
「摂田屋」というお酒を買わなければ、『醸造の町、摂田屋』を知らなかった。どんな町か興味をそそられます。新幹線で時間を節約するのもいいけれど、たまには鈍行で宮内駅で降りて摂田屋界隈を歩いてみるのもいいかもしれない・・・そこには忙しさにかまけて忘れていた何かがあるかも知れないな・・・何んて思いながらつい杯を重ねて、かなり酩酊してしまいました。

[メモ]  15度、精米歩合60%、日本酒度+4、酸度1.3
      吉乃川株式会社
      新潟県長岡市摂田屋4-8-12
      http://www.yosinogawa.co.jp

新潟県のホームページにふるさとレポート「歴史と醸造の町摂田屋」が掲載されています。興味のある方はどうぞ!! なお摂田屋の町を紹介する上の写真はホームページから拝借しました。
http://www.pref.niigata.lg.jp/nagaoka/1205687740918.html

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日本酒・多満自慢 山廃純米原酒

Tamajiman「多満自慢」は、東京都下福生市にある石川酒造のお酒です。
東京都には12の酒造があり、この石川酒造は創業1863年の歴史ある酒造で、多摩川と秋川が合流する所にあり水に恵まれた地域にあります。銘柄は「多満自慢」を中心に、淡麗シリーズ、上撰・佳撰シリーズ、純米大吟醸、など多彩な銘柄を出しています。更に地ビールも造っています。
ところで「山廃」または「山廃仕込」という言葉をよく聞きますが、一体どういうことでしょうか?
清酒の工程を簡単に言うと、精米し蒸した米(蒸米)と麹、水、それに酵母を加えて発酵させ、醪(もろみ)を造り、これを搾って清酒を造ります。この発酵を促す酵母を培養するのが酒母(酛ともいいます)で、速醸系と山廃酛のような生酛系とがあります。両者の関係は人工と自然のようなもので、生酛系は自然の法則を利用し力強く酵母を複雑に発酵・培養させるため味や香りが複雑で熟成により個性的な味わいになる、といわれています。
Ishikawa1Ishikawa2さて福生市といえば私の住んでいる所から1時間位なので、石川酒造を訪ねてみました。
敷地内には、醸造蔵をはじめ全ての建物が土蔵造りで歴史を感じましたし、中央に樹齢400年という夫婦欅(けやき)が2本そびえていて圧巻でした。鯉のぼりが五月晴れの空に映えて欅の新緑もきれいでした。仕込みに使うという湧水が流れていて、本当に水に恵まれた地域だと改めて思いました。
Ishikawa3Ishikawa4なお食事処があって、蕎麦を食べることが出来ました。でも「多満自慢」をお銚子1本ぬる燗でいただいて、そのあと蕎麦をたべる!・・・なんていうのが良いですねぇ…・ただ車なのでぬる燗はトライ出来ませんでした・・・残念!!

前置きが長くなりました!早速試飲してみましょう!!
先ずは生のままで小手調べ・・・・と、おっ!!かなり濃厚な味わいです。口に含むと最初甘さを感じましたが、のど越しは辛口の余韻が残りました。ロックのほうがいいのかな?・・・とも思いましたが、先ずはセオリーどおりぬる燗で飲んでみました。ぬる燗だと香りが一段と強くなり、花のような香りも感じました。飲み心地は辛口が増したように思いましたが、ちょっと表現しにくいテイストでした。う~ん、これが山廃酛効果かな??・・・・濃厚な味わいなので食中酒としても良いかもしれませんが、淡麗辛口が好みの人は避けたほうが良いかもしれません。

[メモ]  17度以上18度未満、酸度2.5、日本酒度ー2、
     精米歩合65%、使用米五百石
     石川酒造株式会社
     東京都福生市熊川一番地   http://www.tamajiman.com/

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日本酒・開運無濾過純米、〆張鶴純米吟醸

Kaiun2009年、あけましておめでとうございます!
今年こそ良い年であるよう願っています。
私のところには年末から6歳になる男の子(孫)が来ていて、元旦にお年玉をあげました。まだお金の価値が100円単位でしか分からないようなので、100円硬貨を5個袋に入れて渡したところ、『ゲームを2回して残った300円は貯めておく!』と言うので、今の子供は意外としっかりしているのだなと感心したものです。
ところが両親と出かけて帰ってきたら孫の手元には100円しか残ってなかった。どうしたのか聞いてみると、おもちゃ屋でポケモン・カードセット(300円)が欲しくなり買ってしまったのでゲームは1回だけした、とのこと。ゲームは2回したいと言ってたけど、そうするとお年玉が無くなるので1回だけで我慢したようです。衝動買いで後が無くなったけど土俵際でなんとか踏みとどまった、というところでしょうか!
こうした話を聞くと、子供の頃正月が来るのを楽しみにしていた記憶がよみがえりました。もう新年といっても小さい頃のようなわくわくした気分にはなりませんね。未来に期待が持てないせいかな?・・・ちょっぴり寂しい気分です。
Osechiしかし正月には別の愉しみがありますよ・・・それは昼間から酒が飲めることです!!
正月と言えばおせち料理!飲むのは当然日本酒!・・・となります。
今回選んだのは静岡県の「開運 生酒、無濾過純米」です。今年こそ運が開けてよい事がありますように・・・・
さてここで純米酒は醸造アルコールを添加してないことですが、生酒、無濾過とはどういうことでしょうか?
日本酒の製造工程は複雑で多岐にわたりますが、原材料を使ってアルコール発酵させて清酒を造ります。そして貯蔵前に火入れをしその後活性炭素濾過を行って再度火入れをして瓶詰め・出荷します。生酒とはこうした火入れを行わず、無濾過は活性炭素濾過を通さないことを言います。一般に火入れをすることで酒質を変化させる残存酵素を除去し長持ちさせる効果があると言われています。また濾過しないので雑味がそのまま残ります。このように醗酵して出来た清酒の状態そのままで出荷するのを無濾過、生酒といっていいでしょう。
Kaiun2でも逆に作る立場から言うと、ごまかしの効かない素のままの清酒を出す訳ですから正に真剣勝負でしょう。「開運」は静岡県の土井酒造場が造っていますが、ここの杜氏波瀬正吉氏の技量に負うことが大きいと思います。
さてどんな味わいでしょうか?
生酒なので冷蔵庫から取り出してぐい飲みに注いでみました。冷やしているので香りは強く感じませんが、それでも華やかな純米らしい香りがしました。口に含むとしっかりとした味わいで、口の中で温まるにつれてゆっくりと広がる『これぞ純米!』と言った味わいでした。
Shimeharijさて日本酒は一種類だけではありませんよ!
何といってもお正月ですからね!!もう一ついってみますね!!
次に選んだのは越後のお酒「〆張鶴 純米吟醸 純」です。『鶴は千年』といって正月には縁起がいいですからね!
〆張り鶴は、越後といっても新潟県の北部にある村上市のお酒です。新潟県産の五百万石という米を使って50%まで精米しています。この五百万石の由来は、昭和32年に新潟県産米の生産量が五百万石を超えたのにちなんで命名されたとのこと。さてこの「〆張鶴、純米吟醸 純」で使われている「吟醸」とはどんな意味なのでしょうか?「吟醸」という言葉から受ける印象は美味しくてあっさり系のイメージですが、本来の意味を知りません。
Shimeharij2調べてみると「吟醸づくり」という日本酒の醸造手法があるのです!それは、高精白した米を低温で30日間くらい醗酵させて、粕の割合を多くして極力雑味を少なくし香味の優れた酒を造る技法なのだそうです。
なるほど吟醸とはそういうことか!!きっと「開運 無濾過純米」に勝るとも劣らないテイストでしょう!
ところで話がそれますが、「越の三鶴」という言葉をご存知ですか?実は私も初めて知ったのですが、越後の地酒で「鶴」が付く銘柄をいうそうです。先ずはこの「〆張鶴」、「鶴の友」(樋木酒造・新潟市)、そして「越の鶴」(越銘醸・長岡市)か?、はたまた「真野鶴」(尾畑酒造、佐渡市)か?
実は「〆張鶴」と「鶴の友」はどこを調べても三鶴に入っているのですが、三番目の「鶴」には、或る酒店のホームページでは「越の鶴」、一方酒好きの新潟県関係者に聞くと『それは鶴の友だ』とのこと。・・・なので両方を掲載しました。さてこれ等の中で「〆張鶴」とともに「鶴の友」は新潟県人が好んで飲むようですが、東京ではなかなか手に入りません。
さてさて、「〆張鶴 純」はどんな味わいか!?ぬる燗で飲んでみました。
うーん、「開運」と比べるとかなり違いますね!開運が濃厚な純米酒とすると、〆張鶴は穏やかなあっさり系でした。ほんのりとした香り、口当たりは柔らかで刺激が少なく、辛口だけどのど越しも柔らかでした。
両者を比べると〆張鶴のほうがアルコール度も若干低く淡麗系なので飲み飽きないお酒といえます。

[メモ] 
 「開運 無濾過純米」 17度以上18度未満、山田錦100%、精米歩合55%
  株式会社土井酒造 静岡県掛川市小貫633
 「〆張鶴 純米吟醸 純」 15.7度、五百万石、精米歩合50%
  宮尾酒造株式会社 新潟県村上市上片町5-15 
 


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日本酒・澤乃井 蒼天

Souten久し振りに日本酒を飲んでみました。
私は家では日本酒をあまり飲みませんね。理由は特に無いのですが、日本酒は蒸留してないのでなんとなく翌日に残るような気がするのと、日本酒は一人で飲むよりも相手と話しながらじっくりと飲むのが好きだからです。
さて今日取り上げるのは、東京・青梅市の小澤酒造「蒼天」です。小澤酒造は、東京の奥多摩渓谷沿いにある歴史ある酒造で、JR青梅線の沢井駅前にあります。小澤酒造では酒蔵見学も随時行ってますし、酒造と道を隔てた渓谷沿いには【澤乃井園】という食事処や売店、更に利き酒処まであって、手作りまんじゅうから生原酒タンク量り売りまで、子供からお父さんまで家族連れでゆっくり楽しめるようになっています。
そして奥多摩川にかかった楓橋を渡ると対岸に【櫛かんざし美術館】があります。この美術館は櫛やかんざしを約4000点も所有して随時展示しているそうですから、櫛などに興味のある方は是非立ち寄ることをお勧めします。
Sawanoikikisakeさて私はどうしても「飲み」に興味があるので、【きき酒処】はどうなっているのか調べてみました。
【きき酒処】では、まずきき酒用の猪口(90ml、五勺)をもらって・・・というか買って・・・棚にあるお酒を指定して飲みます。お酒は12種類あって(時期によって違うようですが)、値段は1杯200円、300円、500円とリーズナブルな設定です。しかも二杯目からは百円引きで楽しめるので、全部飲んでも二千円でおつりがきます。ただ12種類全部飲むと6合にもなるので、私などはダウンしてしまいそうです。家族連れで行ってお父さんだけ真っ赤な顔で酔っ払っていると、家族の評価が下がる恐れがあるので要注意です。(参考に澤乃井のホームページから拝借したきき酒処の様子を載せます。)
『蒼天』は、純米吟醸で精米度は55%、日本酒度+1、酸度は1.6~1.8、とのことです。日本酒度とは、マイナスの値が大きくなるほど甘口、プラスの値が大きくなるほど辛口、と言われてますが、これはあくまでも目安で、甘口、辛口を決めるのはグリセリンなどその他の要素もあるようです。また酸度は高いほど酒は濃く、辛く感じられる、と言われています。
まぁ理論的にはいろいろあるようですが、楽しく美味しくいただければ良いわけで、早速飲んでみました。
今年の夏は暑い日が続いていて、こうした気候の折にはどうしてもビールや冷酒、ロック系統が好まれますが、純米吟醸酒を味わうのですから先ずはぬる燗で試してみました。
『蒼天』を大き目のぐい飲みに注ぐと米の甘い香りがしました。そして口に含むと一瞬甘さを感じたものの、全体に辛口でのど越しに辛味が残りました。全体にしっかりとした味わいで、どちらかと言えば濃厚な味わいでした。
次に冷やして飲んでみましたが、香りはあまり感じなくなりましたが、しっかりとした濃厚な味わいは変わりませんでした。

[メモ] 15度以上16度未満、米、米こうじ、日本酒度:プラス1、
     精米歩合:こうじ、掛けともに55%、酸度:1.6~1.8
     小沢酒造株式会社
     東京都青梅市沢井2-770  http://www.sawanoi-sake.com/

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日本酒・奈良萬おりがらみ

Origarami久し振りに清酒を飲んでみました。
この『奈良萬』は私の友人から頂いた清酒です。
ラベルには「純米生酒」そして「おりがらみ」と表示されています。私は日本酒は詳しくありませんが、純米の生酒は初体験です。
この「奈良萬」は、明治10年創業といいますから130年余も続く福島県喜多方市の「夢心酒造」の清酒です。
夢心酒造のモットーは「夢のある酒造り」とのことで、米どころ会津盆地の良質な酒造好適米の「五百万石」、地元飯豊山の「伏流水」、そして福島県が開発した「うつくしま夢酵母」、と地元にこだわった酒造りをおこなっています。こうした努力が実を結んで、全国で始めて3年連続で金賞を受賞しているそうです。
さてこの「奈良萬 純米生酒おりがらみ」は季節限定品で白く濁っています。いわゆる濁り酒です。それと生酒とはどういう関係にあるのでしょうか?・・・と言うわけで、にわか勉強をしてみました。
一般に清酒は、発酵タンクに蒸米、麹、酒母、水を仕込んで清酒酵母を増殖させてアルコール発酵を促すもので、こうした段階を醪(もろみ)と言ってます。醪の中では蒸米のデンプンが麹の酵素によって糖化され、同時にその糖分を酒母で培養された酵母がアルコールと炭酸ガスに分化させていきます。そして最終的に火入れをして残った酵素を取り除きます。生酒は、こうした火入れを行わない酒を言うとのことです。
従って生酒では酵素が残っているので、瓶詰めした後でも瓶の中でゆっくりと発酵が進んでいくといわれてます。また雑味成分を除くためフィルターを通しますが、荒漉ししただけの白濁した酒を濁り酒と呼んでいます。

この「奈良萬 純米生酒」は要冷蔵、と言うことで冷蔵庫で保存して飲んでみました。瓶の底に白くオリのようなものが溜まっていたので瓶を上下して均一にしてみました・・・こうした方法が良いのかどうか、分かりませんが・・・。栓を抜くと中に溜まった醗酵ガスが抜ける音がしました・・・『まだお酒は生きております。開栓時にお酒が吹き出すおそれがあります』との注意書きに納得です・・・。匂いはお米独特の甘い香りがして口に含むと冷たいので最初口当たりが良いのですが、ピリリとした刺激が口の中に広がりました。どうやらこれは、醗酵過程で出る炭酸ガスのためだと思います。この純米生酒は、甘味とともに少し酸味もあり、しっかりした濃厚な味わいでした。「なるほど、これが純米生酒か!」と納得しました。

[メモ]  17度、米、米こうじ、精米歩合 55%
      製造年月 2007年12月
      夢心酒造株式会社
      福島県喜多方市字北町2932

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