ウィスキー・BenRiach(ベンリアック)

Benriach1スコッチ・シングル・モルトの「BenRiach」を飲んでみました。
一口に『スコッチのシングル・モルト』といってもスコットランドの地域によってそれぞれ特徴があります。今回取り上げる「BenRiach」の箱には【Heart of Speyside】と書いてあり、スペイサイドという地域にあることが分かります。でも世界地図の英国をみても【スペイサイド】という地名はありません。
「シングルモルトを愉しむ」(土屋守著、光文社新書)によると、【スペイサイド】はスコットランドの大都市グラスゴーから北へ200km位、北海へ注ぐスペイ川の周辺地域をいうそうで、50余の蒸留所がひしめいているとのこと。ただこの密集?した蒸留所から「BenRiach」を探し出すのは容易ではありません。・・・では奥の手・・・ということで【Whisky Map of Distillery】というホームページ(HP)を参照してみます。このHPは英国の蒸留所を網羅している優れもので、銘柄を選ぶと地図上に明示され更にその蒸留所のHPも参照できるのです。
Benriach01さてこの蒸留所は、John Duffが1898年に設立したものです。当時は【ウィスキー・バブル】時代のまっ最中で多くの蒸留所が開設されましたが、バブルは直ぐにはじけこの蒸留所も1900年に手放すことになりました。そしてBenRiachが引き継いだのですが、蒸留所はその後約半世紀以上休止せざるを得ませんでした。再開したのは1965年ですが、その間BenRiachは大麦を発酵させるモルティング作業をし、麦芽を他の蒸留所に提供してしのいでいたのです。
Benriach05Benriach06その後蒸留所はグレンリベット、シーグラム、シーバスなど、次々と経営が代わりましたが、大きな転機となったのが2004年にスコットランド人のBilly Walkerがオーナーになり、ラベルのデザインを変更(左写真から右写真へ、ボトル名を大きくし明確化)し、更に伝統的なスペイサイド・モルトが好まない【ピートの香り付け】をしたボトル(Curiositasシリーズ)を売り出すなど経営努力を重ね、『ヴァラエティに富んだウィスキー造り』との評価を得ていったのです。
スペイサイドではスペイ川という大きな川を中心にウィスキー作りが盛んに行われていますが、それはウィスキーの品質を決める水質の良さが決め手となっています。BenRiachも敷地に深い井戸を掘り良質の水を確保していますし、周囲にはこれまた良質の大麦畑が有る、という恵まれた条件にあります。
Benriach2Benriach04今回取り上げる「BenRiach」はピートを利かしてないものですがどんな味わいか早速試してみましょう!
ウィスキーの色は薄い黄金色で、刺激の少ない香りがしました。口に含んでも舌先に刺激が無くまろやかな感じがしました。そしてのど越しも柔らかな感触で、ほんの少し後に刺激が立ちあがってきて、くせの無い味わいでした。刺激を求めたい方には「Curiositas」(写真右)がお勧めかもしれません。

[メモ] 40%
    The BenRiach from the Heart of Speiyside
   Distilled and Bottled in SCOTLAND

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芋焼酎・烈吼(れっこう)

Rekkou1最近はスーパーでもお酒コーナーが充実していて、ウィスキー、ビール、日本酒、そして焼酎と多くの種類を取りそろえています。こうなると選ぶのも大変で何にしようか迷ってしまいます。
その中で今回特に目を引いたのが芋焼酎「烈吼」です。なぜ注目したかというと、先ずラベルに虎が大きく口を開け「激しく吼えている」様子が描かれています。そして白い糸が絵に貼り付けられていて、まるで吼えた声が空気を切り裂いて伝わっている様を表現しています。このようにラベルに立体的な工夫をこらしているのは初めて見ました。
次に注目したのは「烈吼」が佐賀県の宗政酒造によるものだということです。
Munemasa1一般に九州は『焼酎王国』と言われていますが、焼酎の中でも芋焼酎は鹿児島県と宮崎県の南部、麦焼酎は宮崎県と大分県、熊本県は球磨焼酎(米焼酎)、というのが私のイメージです。
そして福岡県は麦とゴマ焼酎(紅乙女)、長崎県は壱岐焼酎(麦)、ですが、佐賀県は・・・というと意外に思い浮かばないのです・・・スミマセン。
むしろ佐賀県は「天吹」の天吹酒造や「万齢」の小松酒造など日本酒のイメージがあり、「烈吼」が佐賀県の酒造の芋焼酎なので興味をそそられました。
さてその宗政酒造はどんな歴史があるのでしょうか?
Munemasa2創業は昭和60年(1985年)と言いますから、まだ32年位で歴史が浅い酒造です。最初に売り出した銘柄が「のんのこ」で、佐賀県産二条大麦を白麹で仕込んだ麦焼酎だそうです。そして5年後に清酒製造免許を取得し清酒「宗政」を売り出しています。
更に平成10年(1998年)には【伊万里ブルワリー】という工場を建設しクラフトビールの醸造も手掛けています。酒造として歴史は浅いものの、かなり積極的に事業を拡げているのですね!
Munemasa3なお本社を2002年に有田に移転しましたが、ご承知の通りこの地域は【有田焼】で有名な窯業の盛んな地で、宗政酒造では有田焼とお酒をテーマにした「有田ポーセリンパーク・のんのこの郷」を開園しています。なお「ポーセリン(Porcelain)とは陶磁器のことです。このパークには、江戸時代から明治までの有田焼を展示する【ツヴィンガー宮殿(18世紀ドイツの宮殿を模した建物)】(右写真上)、【バロック庭園】、【有田焼工房】と【登り窯】(右写真中)、そして宗政酒造の【有田蔵】(右写真下)にお食事処もあり、まさに一大レジャー公園となっています。(写真はホームページから拝借)。
さて今回取り上げる芋焼酎「烈吼」はどんな味わいでしょうか?
「烈吼」のラベルには、『黒瀬杜氏の流れを受け継いだ蔵人の伝統の技と杜氏の感性で完成。芋は黄金千貫、麹は黒麹、蒸留は常圧で芋焼酎本来の個性を引き出した。』、とあります。・・・なるほど黒麹、常圧蒸留となればかなりなガツン系で、虎が激しく吼える『烈吼』にふさわしい味わいになる・・・であろう、と思います。
Rekkou2早速試してみましょう!
9月に入って少し涼しくなったのでお湯割りで飲んでみました。
香りは芋焼酎独特の甘みを感じましたが、少し刺激のある匂いもありました。口に含むとそんなに刺激がなくまろやかな味わいでしたが、のど越しに辛口の余韻が残りガツンとまではいかないものの、しっかりとした味わいでした。
なお麦焼酎の「烈吼」もあるそうなので、飲み比べてみるのも一興でしょう。

[メモ] 25度、さつま芋、米麹(国産米)
    宗政酒造株式会社
    佐賀県西松浦郡有田町矢乙340-28
    電話 0955-41-0020 http://www.nonnoko.com/

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芋焼酎・HOUZAN MOJITO(宝山モヒート)

Mojito3例によって東京・狛江の籠屋さんにお酒を買いに行ったところ、スタイリッシュな瓶が目につきました。
ラベルはすべて横文字で書かれていて、「HOUZAN MOJITO」とあります。はて『ホウザン モジト』?何だろう??『ホウザン』といえば『宝山』、西酒造の銘柄についている名前だけど・・・などとあれこれ考えながら裏のラベルを見ると「宝山モヒート」と書いてありました。『なあんだ【モジト】でなくて【モヒート】か!』、と納得したものの、では【モヒート】とは何でしょうか?   ウィキペディアで調べてみました。
Mojito1MOJITOはスペイン語で発音は「モヒート」、ラム酒をベースとしたカクテルで冷たいロングドリンク。キューバが発祥で、標準的なレシピは、ラム酒(40ml)、ライムジュース(30ml)、ミント(6葉)、砂糖(スプーン2杯)、炭酸水少々、とのこと。ミントの香りがするさわやかなカクテルだそうです。一度お試しあれ!
またキューバには「モヒート」と似たカクテルで「ダイリキ」があり、ラム、ライム、砂糖、氷のカクテルです。これはキューバのダイリキ鉱山で暑さの中で労働する人が、リフレッシュするために発明された冷たい飲み物で、鉱山の名前を取って「ダイリキ」と命名されたものです。
Mojito2かの有名な文豪ヘミングウェイはこれらのカクテルを好み、『わがダイリキはフロリディータにて、わがモヒートはボデギータにて』と言ったそうです。なおブロリディータとボデギータはキューバの首都ハバナの旧市街にある有名なバーだそうで、文豪ともなると飲み物によって店を変えるんですねぇ・・・。キューバに行く予定のある方は立ち寄ってみることをお勧めします。(写真はボデギータの様子、ウィキペディアより)
さて「HOUZAN MOJITO(宝山モヒート)」はどのように造られているのでしょうか?
Mojito4この芋焼酎は、つくる過程のもろみ状態の中にミントを仕込み、蒸留したものだそうです。こうすることでミントの香り豊かな芋焼酎・宝山モヒートができる、という訳です。封を切って香りをかぐとかすかにミントの香りがしました。もっと強い香りがするかと思っていたのでちょっと意外でした。ただあんまりミントの香りを強く出すと芋焼酎独特の香り・テイストが損なわれるので、バランスが難しいのだろうと推察します。
ではさっそく試してみましょう!
アルコール度は20度なので、先ずはロックで。ミントの香りがほんの少ししますが、まぎれもない芋焼酎でした。暑い夏にはさっぱりした飲み物が好まれるので「宝山モヒート」は丁度良いと思いました。ただ個人的にはもう少しミントが強くてもよいのかも・・・ミントが手に入れば試してみたいと思います。

[メモ] 20度、薩摩芋(鹿児島県産黄金千貫)、米麹(国産米)、ミント
     西酒造株式会社  鹿児島県日置市吹上町与倉4970-17


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ウィスキー・Robert Burns

Robertburns2今回はスコッチ・シングル・モルトの「Robert Burns」です。
ラベルの【Robert Burns】の上に『1759-1796』の標記があることから、どうやら人の名前のようです。このようにスコッチ・ウィスキーで人名を銘柄名にするのは珍しいと思います。・・・で、そもそも【Robert Burns】とはどんな人なのか調べてみました。
するとRobert Burnsは、スコットランドの国民的詩人ということが分かりました。私の不明を恥じるのみです・・・。彼は1759年にスコットランドの南西部の貧しい小作人の家に7人兄弟の長男として生まれました。そして農場で働きながら15歳のときに詩作を始め、詩作の傍らスコットランド民謡の収集・改作を行ったのです。なかでもスコットランド民謡【Auld Lang Syne】は、日本に紹介された【蛍の光】として有名です。彼は詩作を通してスコットランドの人々の熱狂的な支持を得たのですが、心疾患により37歳の若さで亡くなりました。
Robert_burns1現在でも彼の人気は高く、毎年誕生日の1月25日頃に【バーンズ・ナイト】とか【バーンズ・サパー】という行事が行われています。これは夕食をしながらバーンズにちなむ詩や音楽を披露し、最後は【Auld Lang Syne】の大合唱で終わるとのこと。いかにバーンズが慕われているか分かります。
このウィスキーは、彼にちなんで醸造されたものと言えます。
さてこのウィスキーの蒸留所は、Isle of Arran Distilleryと言って2014年12月27日のブログでとりあげた「The Arran Malt」の蒸留所とおなじです。この醸造所はアラン島にありますが、この島はスコットランド最大の都市グラスゴーの南西、キンタイア半島で囲まれたクライド湾にあります。そして創業は1993年と歴史は浅いものの、アラン島では古くから大小さまざまな蒸留所があってウィスキー作りには歴史がある島です。
Robertburns4なおボトルには、二羽の鷲が刻印されてます。それはこの蒸留所を建設するときに鷲の巣が見つかり雛がかえるまで工事を中断したそうです。そしてオープンの式典が始まった時二羽の鷲が飛来したので、『鷲がお礼に来たのだろう!』ということで、ボトルに刻むことになったとか。なかなか興味あるお話です。
Robertburns3ところでこの「Robert Burns」はどんな味わいでしょうか?
一般に蒸留後ウィスキーの原酒を樽で寝かせますが、「Robert Burns」はバーボン樽とシェリー樽でそれぞれ熟成し、それらの原酒を7対3の割合でブレンドしているとのこと。バーボン樽では甘くフルーティな味わい、シェリー樽では深みと豊かな感じが出るそうですが、さてどんな味わいでしょうか?
色は薄い黄金色で香りはやや刺激のあるものでした。口に含むと刺激が口の中に広がりましたが、全体にまろやかな味わいでした。このウィスキーはスモーキィなフレイバーがなく中庸な味わいなので、食前や食事中に飲むお酒として丁度よいと思います。

[メモ] 43%、Robert Burns  
     Distilled Matured and Bottled in Scotland,
     Isle of Arran Distillers LTD, Arran

【余談】 島によって性格の異なるシングル・モルト
      スコッチ・シングル・モルトを区別するときに、【島嶼部】という分け方があります。この区分でアラン島の近く、キンタイア半島を挟んで反対側にアイラ島があります。この島では「ボウモア」などスモーキィなフレーバーが特徴のシングル・モルトが輩出しています。一方アラン島の「Robert Burns」は前述のように中庸な味わいで性格が異なります。      この違いは何からきているのでしょうか?
それはアイラ島が北大西洋に直接面しており厳しい自然に対峙しているのに、アラン島はキンタイア半島がいわば防波堤になり厳しさがやや和らいでいるからかもしれません。・・・これは私の想像です。とはいえ両島とも北緯56度にあるので、日本で言うと樺太の更に北になるので、厳しい自然の中にあることに変わりはありませんが。

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日本酒・みむろ杉 特別純米 辛口

Mimuro1連日暑い日が続いています。こういう時こそ暑気払い!!
・・・という訳で、奈良県桜井市今西酒造のお酒「みむろ杉 特別純米 辛口」を飲んでみました。実は奈良のお酒は初めてで、例の東京・狛江市の【籠屋】さんで紹介されたのです。
今西酒造は奈良盆地の南部・桜井市にあります。盆地は周囲を山で囲まれていますが、酒造の東には三輪山(標高467m)が迫っています。
Miwa01実はこの三輪山は、酒造のすぐ横にある大神神社(おおみわじんじゃ)のご神体なのです。ご神体が山というのは珍しいと思いますが、この三輪山は古来から三諸山(みむろやま)とも呼ばれていて『杉の木に神が宿る』という言い伝えがあるそうです。つまり銘柄の「みむろ杉」は、ご神体である三諸山の杉を意味していて漢字標記の「三諸杉」というラベルもあります。
Miwa02さて今西酒造の創業は1660年(万治3年)とかなり古く、桜井市三輪にあります。実はこの地【三輪】は日本酒発祥の地だというのです。日本書紀によると、崇神天皇(すじんてんのう、第10代天皇、3~4世紀初め?)が疫病で混乱する世を憂えていたところ『酒を造るように』との夢のお告げがあり、【高橋活日命(いくひのみこと)】に酒造りを命じお神酒として奉納したところ世の中の混乱が収まった、というのです。そしてこの高橋活日命は杜氏の神様として大神神社の摂社(本社に縁故の深い神を祭っている)である「活日神社」に祭られています。
Miwa03ところで各地の酒造を訪ねますと、入り口に杉玉が飾られているのに気づくことがあると思います。この杉玉は『新酒ができました』というサインですが、大神神社からこの杉玉が全国に発送されているとのこと。その証拠に、杉玉の下に吊るされているお札に【三輪明神 しるしの杉玉】と書かれているそうです。酒造を訪ねる機会があったら、杉玉に吊るされているお札を確認してはいかがでしょうか!
なお右の上3枚の写真は酒造のホームページから拝借しました。
さて「みむろ杉 特別純米辛口」はどんなお酒でしょうか?
Mimuro2今西酒造では三輪山の伏流水を自前の井戸でくみ上げ、酒米には奈良県に古来から伝わる「露葉風(つゆはかぜ)」を使っているとのこと。この酒米は生産量が少ないので、酒造では『よい土壌からうまい米が育つ。』との考えから三輪山の裏手に土地を確保し、契約農家とともに米作りを行っています。「露葉風」は独特の風味があり、清酒本来の美しさが出やすい品種といわれているので、どんな味わいか飲むのが楽しみです。
夏なので冷蔵庫で冷やして飲みましたが、純米酒らしいほんのり甘い香りがしました。最初口の中でとろりとした感触がありましたが、辛口で全体にあっさりとした味わいでした。
次に冷水で割って・・・つまりアルコール度を下げて飲んでみました。香りはほとんど感じなくなりましたが、純米酒らしい味わいは保ったまま、アルコール度が低くなりしかも辛口の味わいは変わらなくあっさり系で飲みやすくなりました。
実はこの割り水は、私がよく参照する【純米酒を極める】(光文社新書)の著者上原浩氏お勧めの方法です。暑い夏には冷水による割り水法はお勧めですよ!!

[メモ] 15.5度、原材料:米(奈良県産露葉風100%)、米麹(国産)
     精米歩合 60%、辛口、一回火入れ、  29年6月製造
     奈良県桜井市大字三輪510  
     http://www.imanishisyuzou.com

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芋焼酎・海童 春雲紫

Kaidous1久しぶりに芋焼酎を飲んでみました。
鹿児島県いちき串木野市【濱田酒造】の「海童 春雲紫(しゅんうんむらさき)」です。海童といえば『海童 祝いの赤』が有名で、その赤いボトルがよく知られています。今回の「海童」はボトルをうす紫色に着色してあります。これは紫芋(鹿児島県頴娃(えい)町産)を使っているためでしょう。そして「春雲紫」とは『春雲五色開』という言葉・・・春の雲は美しく五色とりどりに染まる・・・の五色の中に【紫】が入っていることから命名したとか。
なるほど紫芋の【紫】と雲の【紫】をかけているんですね!!
Kdenbeiさてこの濱田酒造、1866年(明治元年)創業と言いますから150年近く続く老舗ですが、実際には江戸時代から酒造りを行っていたようでかなり歴史のある酒造です。この酒造は年商136億円(全国6位、2014年のデータ)の大会社ですが、現社長が入社した40年前は地元商店との特約契約で、販売管理も会社で実施していたので出荷が増えても販売管理費が増加し利益は逆に減っていたそうです。その後この特約を廃止し自社卸しに転換したことで全国展開も可能となり、現在の売り上げ増につながったとのこと。
当時の経営決断が今日の隆盛を得たといえます。
KdenzouKkinzan濱田酒造は3つの酒造蔵を運用しています。
先ず創業地で創業当時の製法・・・明治大正期の木桶蒸留器の焼酎造り・・・を実践する【伝兵衛蔵】(右上写真)。そして最新設備を備えた【傳蔵院蔵】(左写真)。ここでは売れ筋の「海童」や「隠し蔵」などがつくられています。最後は江戸自体の製法を再現した【薩摩金山蔵】(2005年4月設立、右下写真)。
特に金山蔵は江戸末期から続いた串木野金山跡を利用し、坑道の一部を醸造設備を設置し、更に熟成貯蔵庫として利用するなど、焼酎蔵と金山跡地を兼ねたテーマパークとして活用されているとか。一見の価値はありそうです。
Kaidous2さて「海童 春雲紫」は、頴娃産の紫芋を使って白麹で仕込んでいます。こうして出来た原酒から雑味成分を除くためにろ過しますが、この海童では雑味成分を若干残す【粗(あら)ろ過】という方法で芋焼酎の本来の旨味を出すようにしているとか。このため少し白濁した状態になっているそうですが、見た目あまり気になりませんでした。
で、気になるのは味わいですが、実際どうなんでしょうか!?
先ずは定番のお湯割りで・・・。ややほんのり甘い香りがして、口に含むと刺激の少ない優しい感じがしました。そしてのど越しに辛口の余韻が残りました。次は連日暑い日が続いているので、冷蔵庫で冷やした水で割って飲んでみました。お湯割りのような甘い香りは感じられないものの、口の中で温まるにつれて甘みが強まりました。冷水割りは口当たりが良く、暑い夏には最適な飲み方だと思います。お勧めです!!

[メモ] 25度 原材料:さつまいも(鹿児島県産頴娃紫)、米麹(国産米)
     粗ろ過 うすにごり焼酎
     濱田酒造株式会社 傳蔵院蔵
     鹿児島県いちき串木野市西薩町17-7
    http://www.hamadasyuzou.co.jp/

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ワイン・Take-Bow(たけぼう)

Takebow20172このブログでは何回か取り上げてますが、「Take-Bow(たけぼう)」ワインは、山梨県甲州市のまるき葡萄酒(株)の【マイワイン・システム】による白ワインです。
ここで【マイワイン・システム】とは、甲州種の白ワインを辛口と樽熟成の2コースについて(例えば、辛口コースは100本、樽熟成コースは60本、など)、申し込んだ後5年間蔵出しする権利を購入するものです。このシステムにはラベル印刷サービスがあって、ラベル(例えば結婚記念日や孫の誕生記念、など)を作成してメールで送ると、蔵出しワインに貼り付けてもらえる特典があります。つまり唯一つのワインが手にすることができるのです。
しかしこの【マイワイン・システム】、45年前の1972年に始まったのですが貯蔵庫のスペース確保が難しくなったそうで、2016年8月に2015年度分をもって終了するとの連絡がありました。確かにワイナリーにとっては5年間の貯蔵分を毎年確保し続けるのはなかなか難しいのでしょう。
ところで、毎回ラベルのデザインを考えるのは意外と難しいものです。
Takebow20171もともとデザインの才能が無いのだから毎回苦労してます。まるきワイナリーの建物はモダンな洒落たもので、ワイナリーの門柱?には大きなワインボトルが設置されているので、この光景をラベルに取り入れることにしています。そうすると後は、背景とか字体を決めるだけなのに、認知症が始まった・・・と思う・・・私には毎回かなりの負担となっております。あれこれ考えて今回の「Take-Bow」のラベルは、庭に生えている半夏生(はんげしょう・季語、
初夏に咲く草花の名前でもある)を背景に使ってみました(写真右)。背景を全体にぼかしてみましたが、何の草花か分からなくなってしまいました・・・。
さてまるきワイナリーでは、ブドウの木の栽培に「不起草生栽培」法を取り入れてます。この方法は土地を耕さないのを基本とすることで、様々な微生物が住みつき悪い菌による土壌の病害を防ぐものです。更に羊を放し飼いにして羊が雑草を食べその糞を肥料にすることで持続的なサイクルを可能としています。
Photo_2このようにまるきワイナリーではブドウの木の栽培に努力を続けていますが、全国的にみるとブドウの苗木不足が問題となっているようです。新聞記事によると酒造メーカーはワインの醸造を倍増しようとしているものの苗木が不足していて、栽培農家も一過性のものではないか?との疑念もありブドウの苗木不足は当分続きそうだ、というのです。東京五輪を控え和食が注目されていて、私は国産ブドウ苗木からつくられる日本ワインは和食に合うと思うので、日本ワインの増産が期待されますが、なかなか思うようには行かないようです。
さて肝心のワインはどんな味わいでしょうか?さっそく試してみましょう!
開栓した直後はそんなに香りは強くないように感じました。そしてやや味が無いというか淡白なものでした。そこでしばらく時間をおいてから飲むと辛口の味わいが出てきました。2015年収穫の甲州種ブドウなので、まだ若いワインだからでしょうか?
冷蔵庫で冷やして飲みましたが、開栓後しばらく時間をおくことで適度な温度となり、しかもとんがった味わいがまろやかになるように思いました。

[メモ] 12%、甲州種、2015年収穫
     まるき葡萄酒株式会社
     山梨県甲州市勝沼町下岩崎2488
     http://www.marukiwine.co.jp/

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日本酒・獺祭(だっさい)

Dassai10今回取り上げるのは、山口県の旭酒造の「獺祭」です。このお酒は人気が高く、また値が張るので私は敬遠してましたが、父の日プレゼントということでありがたく頂戴しました。
プレゼントの中身は、【獺祭・純米大吟醸】の精米歩合が異なる3種類(写真右から、50、磨き3割9分、磨き2割3分)で、それぞれ300mlの小瓶が入ってました。そして【獺祭】という名前が入ったワイン・グラス(写真の右端)も付いてました。
Dassai12ところで精米とは、脱穀した玄米の表面に近い部分の蛋白質や脂肪分等を取り除き中心部のより純粋なデンプン質のみを残す工程で、球体に削る【球状精米】、米の表面を同じ厚さで削っていく【原形精米】、そして不要な部分を優先的に削る【扁平精米】があり、現在は扁平精米法が主流になっているそうです。
Dassai13それにしても【磨き2割3分】とは77%不要部分を削ることになりますが、どうやって測っているのでしょうか?
測定法には2種類あって、一つは精米後の白米重量を玄米重量で割る方法で【見かけの精米歩合】といい、もう一つは精米後の千粒の重量を原料である千粒の玄米で割ったもので【真正精米歩合】、とがあります。「獺祭」がどちらの方法で測ったもので表示しているのか分かりませんが、それにしても【磨き2割3分】はすごい数値だと思います。
Dassai14でもちょっと中途半端な数値だと思いませんか?!実は当初の目標は25%だったそうですが、ほかの酒造が24%を目標に精米するとの情報が入って急きょ2%アップの23%にしたとのこと。この2%のために1昼夜かかって、磨き上げるのに合計1週間かかったそうです。
さて旭酒造のホームページには「美味しく飲む方法」が掲載されています。
その具体的な方法は、①冷蔵庫に保存することが基本。②開栓後は2、3日で飲みきる。③お酒の温度は12度を基準とし、温度が上がるにつれて香りと旨みが変化するのを楽しむこと。要は冷やして飲むのが基本だそうで、そのためにワイン・グラスで飲むのがお勧めとか。
Dassai11さてどんな味わいか、それぞれ飲み比べてみました。
先ずは冷酒で・・・50、磨き3割9分、磨き2割3分の順に試してみました。率直に言ってよく分かりませんでした。ただ磨きの度合いが進むにつれて舌触りというか口に含んだ味わいがだんだんと濃くまったりとした感じになりました。
ところで私はぬる燗でも試してみました。こういうと『なんということだ!純米大吟醸を温めて飲むなんて!常識がないんじゃないか!』などと、非難されるかもしれません。実はこれには根拠があって、【人間の舌は体温に近い温度が一番旨みや甘みを強く感じる】と言われていて、『良い吟醸酒こそ燗にすべき』だそうです(上原浩著「純米酒を極める」光文社新書より)。・・・ということで、ぬる燗で飲んでみましたが、旨みや甘さが冷やしたものより強調されたように思いました。そしてのど越しに辛口の余韻が残りました。全体にまろやか、だけど辛口のしっかりした余韻を楽しめるお酒でした。

[メモ] 獺祭 純米大吟醸50 アルコール度16度、精米歩合50%
         純米大吟醸 磨き3割9分 アルコール度16度、精米歩合39%
         純米大吟醸 磨き2割3分 アルコール度16度、精米歩合23%
     旭酒造株式会社 山口県岩国市周東町獺越2167番地4
                 http://asahishuzou.ne.jp/

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イタリヤ・ワイン

Italianwine1このブログではいろんなアルコール類をとりあげてますが、ワインは相対的に少ないと思います。・・・で何故かと言うと、正直に言って『ワインは良く分からない。』からです。
もちろんワインを理解するためにワインに関する著作を読んでおり、なかでも辻静雄著「ワインの本」(新潮文庫)は私のような初心者にはちょうど良い入門書でした。この本が出版されたのは35年前の昭和57年で、その後ワインの世界ではカルフォルニア、ペルーやチリなどのいわゆる【ニューワールド】のワインが評価されるようになりました。ワインの選択肢が増えたのは喜ばしいことですが、私にとってワインの選択はますます難しいものになったのです。さてこんな私が最近【横着な】方法でワインを選ぶ方法を見つけました。
Italianmapそれはデパートが年に数回提供する「リカー・セレクション」で、ワインを選ぶことです。ワインは、例えば【シャブリ生産者別飲み比べセット】、【ボルドー・グレートビンテージ赤ワインセット】、【スペイン濃厚赤ワインセット】、などなど。これ等のワインはデパートのバイヤーが選んだので当たり外れがないし、未知のワインを知る機会にもなります。・・・ということで今回【イタリア10州10品種赤ワインセット】を取り寄せてみました。この中で私が気に入った赤ワインを3本紹介しましょう!!
Iwinechianti最初はトスカーナ州の「フロレジア・ヴィオラ・キアンティ」です。
トスカーナはイタリア半島の中西部にあり州都はフィレンツェで、イタリア・ルネッサンスの中心地。日本人には馴染みの深いピサの斜塔や古都シエーナなどがあります。この地方ではワインの他、オリーブ、小麦などが栽培されています。なお赤ワインは「キヤンティ」の名が付けられています。ラベルは深い青色が基調のエレガントなデザイン!格付けはイタリア・ワインの最高級DOCGです。ワインセットにこうした高い格付けのワインが入っていると、なんだか得した気持ちになります。
テイストはなめらかな口当たりでラベルと同じくエレガントな味わいでした。
Iwinechunky次は、プーリア州の「チャンキー・レッド・ジンファンデル」です。
イタリアは国の形がブーツにたとえられますが、プーリア州はブーツのカカトになりアドリア海を隔ててギリシャに向き合っています。山岳がほとんど無く平野と丘陵だけで肥沃な平原が広がっているとか。ラベルを良く見ると【象】が自転車に乗って鼻で「赤」と書かれた旗を振っているというユーモラスなものです。それにしても何故【象】がラベルに?!調べてみましたが、良く分かりませんでした。
口にしてみると、果実の香りがしてフルボディと言うんでしょうか、しっかりした味わいでした。ワインの格付けは記載してありませんでしたが、美味しいワインでした。
Iwineciroそして最後は、カラブリア州の「チロ・ロッソ・クラッシコ」です。
カラブリア州はブーツのつま先にあたり、地中海性気候でブドウ栽培が盛んな地域です。そのためでしょうか、ラベルは青い空とブドウ畑をイメージしたカラフルなもので、フランス・ワインの正統的なラベルとは違って開放的な感じがします。なお州内の90%が赤ワインを栽培しているとか。このワインにはDOCというDOCGに次ぐ格付けがされています。
香りが豊かなワインでフルーティな、そして軽快でエレガントな味わいでした。

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ウィスキー・Platte Valley(プラット ヴァレー)

Plattvalley1久しぶりにウィスキーを飲んでみました。
アメリカ・ミズーリィの「Platte Valley(プラット ヴァリー)」です。ラベルには【100%Corn】との表示がありました。【Corn】つまりトウモロコシ100%のウィスキーなのです。トウモロコシを原材料とするのはアメリカではバーボン・ウィスキーがよく知られています。ではこれはバーボン・ウィスキーなのか?バーボンとの違いは何なのか?・・・調べてみると・・・アメリカの法律によると原材料のトウモロコシが51%以上ならバーボン、80%以上であればコーン、と称することが出来るとされています。ここで紹介する「Platte Valley」は100%なので、当然コーン・・・トウモロコシ・ウィスキー?!・・・と呼ぶのでしょう!!
Plattvalley3_2さてこのウィスキーを造っているのはMcCormick(マコーミック)蒸留所です。この蒸留所は1856年現在地に設立されたのですが、この地は地下水が湧き出る泉があったのが決め手になったそうです。日本酒もそうですがやはり【水】は醸造にとって大切ですね(写真はFaceBookから借用しました)。
設立当初はウォッカの蒸留が主力で他にアルコール飲料の輸入をしていて、3代目のオーナーの時に現在の社名マコーミック蒸留所に改めたそうです。この蒸留所が大きく発展したのは1992年マイク・グリーサー(Mike Griesser)が就任してからで、当時社員が35名、売り上げが5000万ドルだったのが、14年後の2006年には186名、15000万ドル、と約3倍の規模になりました。
Singlegrainところで「グレーン・ウィスキー」なるものをご存知でしょうか?
『シングルモルトを愉しむ』(土屋守著、光文社新書)によると1800年代に連続式蒸留器が発明され高アルコール度のウィスキーが製造されるようになりました。連続式ではアルコール度数94.8%なるものも実現可能ですが、でもこんなに高いと没個性的になってしまうとか。当時『モルトは癖が強く、一方グレーンは味もそっけも無い』との評判でした。ならばモルトとグレーンを掛け合わせてみてはどうだろうかという発想をした人物がいて、トライしたら風味も安定し旨いウィスキーが出来ました。以来グレーンウィスキーは専らブレンド・ウィスキーに使われるようになったのです。そして当初は小麦や大麦が使われていたのが、安価なトウモロコシが原材料として使われるようになったのです。
なお一例として、サントリーの角瓶のラベルを見ると、【モルト、グレーン】との表示があります。参考にアイリッシュ・ウィスキーのシングル・グレーンの写真を載せます。
Plattvalley2話が横にそれてしまいましたが、トウモロコシ・ウィスキー「Platte Valley」はどんな味わいでしょうか?
色はうすい黄色、淡黄色で、やや鼻にツンとくる刺激がありました。かなりガツン系かな?!と思って口に含んだところ、意外にマイルドでのど越しにやや辛口の余韻が残る味わいでした。
女性にもお勧めのウィスキーだと思います。

[メモ] 40%、100% Straight Corn Whiskey
    Selected & Bottled by McCormick Distilling Co.
    Weston, MO

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