日本酒・酔心 純米吟醸 杜氏入魂

Suishin02 今年は8月に入って暑い夏が続いています。暑い時に日本酒を飲むには冷酒にして飲むのがいいと思い、今回は「酔心 純米吟醸」を冷やして飲んでみました。         ところで「酔心」は【広島の酒】というイメージですが、 実は広島県三原市の酒造【酔心山根本店】のお酒なんです。この三原市には戦国大名の小早川隆景が築いた三原城があります。この地は瀬戸内海に面していることから、隆景は水軍を整備し海上と陸路の交通のかなめを抑え発展させました。お酒と言えば江戸時代にはにごり酒が主体だったそうですが、三原では現代の清酒に近いお酒も造られていたとか。交通の要所であるとともに最新の情報が集まってきていたのがうかがえます!

Suishin01 さて創業は万延元年(1860年)といいますから、160年近く続く酒造です。そして明治の中頃に当時20数種あったお酒の銘柄を統一するため二代目の当主があれこれ考えていたところ、ある夜夢枕に白髪の老人が立ち『酔心(よいこころ)とすべし』とのお告げをしたそうです。・・・う~ン、これはちょっとまゆつばだと思うけど、ホームページに掲載されているのでそのまま紹介します。

ところで「酔心」の特徴は何でしょうか?第一は【仕込み水に超軟水】を使っていることでしょう!軟水はミネラルが少なく発酵がゆるやかに進む特徴があり、その結果酵母が香りの源であるエステルを作り出すそうです。このため超軟水による酒造りは、ふくよかで上品な甘み、うま味があり香り高いお酒ができるとのこと。現在使われている仕込み水はブナの原生林が茂る鷹ノ巣山山ろくの湧水で、五代目、六代目の当主が2000年に掘り当てたとのこと。老舗といえども良い仕込み水を求めて努力されているのですね!  次は【米】です。酒米としては最高級との評判の山田錦のほか、広島県産の酒造米をつかっていて、精米歩合は65%以下、最高で30%まで磨き上げているそうです。  更に酒造りで重要な米麹には、「突き破精(つきはぜ)型」の麹を使っているとのこと。聞きなれない言葉ですが、蒸した米に麹菌が繁殖し菌糸が白く見える部分を破精(はぜ)といい、破精が蒸米の内部に深く食い込むタイプのもの(これを、突き破精型という)が吟醸酒を造るうえで理想とされているとか。地酒と言えどもそれぞれ歴史があり、良いお酒を造るための努力が積み重ねられていることが、良くわかりました。

Suishin03 さて冷やした「酔心 純米吟醸」を早速飲んでみました。 ほんのりとした甘い香りがして、口に含むと柔らかい口当たりでした。全体に優しい甘口の味わいで、冷たいので飲みやすくついつい盃を重ねて酩酊してしまいました。

[メモ] 16度、軟水仕込み 精米歩合60%

     広島県産酒造好適米 八反35号100%使用

     株式会社酔心山根本店  広島県三原市東町1-5-58

     http://www.suishinnsake.co.jp/

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ウィスキー・ロイヤル ロッホナガー(Royal Lochnagar)

Royal_lochnagar1 スコッチのシングルモルト・ウィスキーを飲んでみました。今回飲んだ銘柄は「Royal Lochnagar」で、実は約4年前にこのブログで取り上げてました(2015年9月)。      前回紹介したようにこのLochnager蒸留所は1845年に創設されましたが、実はその前史があります。1823年にディ川の北側にジェームス・ロバートソンが設立したのですが焼失してしまい、再度1826年に再建したものの同じように焼失してしまったのです。彼はよほどついていなかったのです。  その後ジョン・ベグが1845年にディ川の南岸に蒸留所を建設しました。  【岸を変えたので、ツキが変わった!?】のでしょう、その後現在に至るまでLochnagar蒸留所は稼働しつづけています。こうしたことからこの蒸留所の公式の開設年は1845年となっています。

Royal_lochnagar_distillery1Royal_lochnagar_distillery4 さてこの蒸留所はスコットランドで最も小さい蒸留所の一つで古い石造りの建物や穀物置き場は今も良く使われている、とのこと。ここでホームページを見ると、歴史を感じさせられる建物の写真を数多く見ることが出来ます。 蒸留所の場所はディ川の南岸といっても小高い山を隔てているので蒸留所の周囲は自然に恵まれた環境で、創建当時のものでしょう石積みの建物が多くて、そのそばに近代的な貯蔵タンクが配置されています。                                  Royal_lochnagar_distillery5 また【Cooper Age】という看板がある建物の写真では、壁は石が幾重にも積み重ねられているのが見て取れます。 この看板で、Cooperは「桶屋、たる製造者、酒屋」の意味があり、Ageは「歳をとる、熟成する」の意味だそうです。なのでこれは私の想像ですが、この建物は「たる熟成庫」ではないかと思います。Ageの意味が「歳をとる」から「熟成する」へと変化していくのは、我々日本人の感覚ともあっているようで、私は面白く感じました。もっとも最近では、『歳をとっても熟成しない人』も散見されますけどね!!・・・ウィスキー造りの決め手の一つである水は、ロッホナガー(Rochnagar)という山の湧水を使っているそうで、この湧水はバルモア城を通って蒸留所に流れてきているとか。そういえば、バルモア城はヴィクトリア女王が1848年に買い取り、その後ベグが女王を招待したところ女王から「王室御用達」の勅許状が届き、以後Royalの名前を冠するようになった、との逸話は前回紹介したとおりです。       Royal_lochnagar_distillery3 ちょっと話題がそれましたが、この蒸留所では単式蒸留器(ポットスチル)を2つ備え、一つ目はウォッシュ(もろみ)スチル、次に再蒸留してスピリッツを取り出すスピリッツ・スチルの二つです。これが最も小さい蒸留所、と言われる所以です。

Royal_lochnagar1 さて最も小さい蒸留所の一つでありながら、高い評価をえているRoyal Lochnagarは、どんな味わいでしょうか?!

色はやや濃いアンバー色で香りは少し刺激のあるものでした。まずストレートで試してみました。最初は舌に刺激がなく優しい味わいと感じましたが、口の中で温まると次第に刺激が強くなりました。ロックでも試しましたがかえって飲みやすく思いましたが、のど越しに辛口の余韻が残りました。

[メモ] 40% Highland Single Malt Scotch Whisky

     Produced in Scotland by The Royal Lochnagar Distillery

                Crathie, Ballater, Aberdeenshire, SCOTLAND

 

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日本酒・八重垣 純米吟醸 山田錦

Yaegaki04 今回取り上げるのは、「八重垣 純米吟醸 山田錦」です。

このお酒は酒米として定評のある山田錦を使い、しかも純米吟醸酒ですから、かなり期待できます。この「八重垣 純米吟醸」を造る酒造は兵庫県姫路市林田にあるヤエガキ酒造ですがカタカナ表記の名前はユニークですし、兵庫県は山田錦の原産地でもあります。それでは酒造の歴史をたどってみましょう!

Yaegaki01 歴史は何と大阪冬・夏の陣にまでさかのぼります!    この戦いで功績があった建部政長が1万石の大名に取り立てられ、1617年に播州林田藩を開きました。以後明治の大政奉還まで約250年間建部氏が治めたのです。この間農業、商業、学問の奨励などを行い藩は繁栄しました。そして開藩から約50年後の1666年に長谷川栄雅が酒屋と材木商を始めたのが酒造の始まりとのこと。ですからこの酒造は約350年余続いているのです。現在の銘柄は明治14年に「八重墻(やえがき)」として売り出されました。このネーミングは、スサノオノミコトが八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治し結婚・家を建てたとき読んだ歌『八雲立つ出雲の八重墻・・・』からとったそうです。【垣】という字が旧字体の【墻】であることが歴史を感じさせます。その後大正3年に長谷川合資会社に改め、昭和38年には現在の社名アラガキ酒造(株)に変更し現在に至っています。

Yaegaki02日本酒は酒米、仕込み水、そして仕込みの技の三拍子がそろうことが銘酒の条件と言われてます。酒米の【山田錦】は昭和11年に兵庫県立農業試験場で誕生しましたが、背が高くて粒が大きく心白が大きい(心白とは米粒の中心にあるデンプン質が粗い部分で、麹菌の菌糸が入り易く醸造に適している)特徴があります。しかし背が高いために風で倒れやすく、心白を大きくするためには昼夜の温度差が大きいことも大切で、このため栽培される場所が限られ兵庫県の六甲山系の裏側山間部、播磨平野などが原産地とされています。

Yaegaki03 次に仕込み水ですが、この地方を流れる揖保川の支流で酒造の近くを流れる林田川の伏流水を使っているとのこと。この水は【千寿の水】といい軟水で酒造りには欠かせないものとなってます。なお一般にミネラルを多く含む硬水で仕込むと辛口の【男酒】、ミネラルの少ない軟水で仕込むと甘口の【女酒】になると言われていますが、一概には決められないとか。そして最後は仕込みのわざで、この酒造では寒の仕込みに際して、蓋麹法という小さな杉の平箱に麹を小分けし一つひとつの箱の麹の状態を見極め、蔵人が微妙に変化する麹と対話しながら手作りで仕込むことを長年行っているそうです。

Yaegaki05 さて今回試飲する「八重垣 純米吟醸」は、スローフード・ジャパン主催第7回燗酒コンテストで専門家が燗の温度40~45度でブラインド審査をして最高の金賞を獲得したとか。飲み方のお勧めは常温かぬる燗なので、先ずは常温で試してみました。香りはあまりありませんが、口に含んでも刺激がなく口の中で温まると辛口の味わいがゆっくりと広がりました。またぬる燗でも飲んでみましたが、ほんのりした吟醸香がありぬる燗のため口に含むとダイレクトに辛口の味わいがきました。『軟水仕込みだから【女酒】で甘口』とは言えない、しっかりとした辛口の味わいでした。

 

[メモ] 15度、米(国産)、米こうじ(国産米)、

     山田錦100%、精米歩合65% 製造年月2019.4

     ヤエガキ酒造株式会社   yaegaki.co.jp

     兵庫県姫路市林田町六九谷681

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余談 コーヒー豆の自家焙煎

このブログでは、お酒について酒造の歴史や取り組み、土地柄などお酒にまつわる情報をまとめています。そしてそのお酒からちょっと離れた話題を【余談】というコーナーで随時提供しています。今回はその【余談】だけで記事を書くという大胆な?企画です。しかしこのように大上段に構えたものの今回はお酒の話題から離れて、私が長年やっているコーヒー豆の自家焙煎について紹介したいと思います。

Photo_20190705214301 私がコ ーヒー豆の自家焙煎を始めたのは30代後半ですから今から35年位前です。東京・新宿の「アラビカ珈琲」の店頭で黄土色したコーヒーの生豆を売っており、焙煎用の【ハンドロースター】(網で造られフライパンの形で、はじけた豆が飛ばないようふたが付いている・写真参照)を購入し我が家で焙煎にトライしました。しかしこれが妻には大不評!・・というのも、コーヒー豆の皮がガスレンジの周辺に飛び散り、掃除しても完全に取り除くことが出来なかったのです。このためハンドロースターによる焙煎はたまに行う程度で、ほそぼそと続けたもののその後中断しました。

1_201907052222011_20190705214401 それが約10年前、ある職場でコーヒー博士のO氏に出会ったのです。O氏は自宅に本格的な焙煎機を所有しコーヒー豆はネットで直接買い付ける、という私から見ると雲の上の存在のような人でした。そこで私も焙煎機を買いたいと思って調べましたが、安くても10万円はするので諦めました。そしてO博士と雑談をしていた時オーブントースターを改修したらどうだろう、というアイデアを思い付いたのです。オーブントースターなら熱源が簡単にとれ、焙煎は簡単に出来そうです。とは言え生豆を均一に焙煎するにはどうすればいいのか?!・・・そこで思いついたのが生豆を入れる籠を作りその籠をトースターの中で回転させる、というものです。籠を回転させ取り出す必要があるので、回転用ハンドルと籠の接続には磁石を使うことにしました。こうした考えで製作した第1号器を写真に示します。トースターはスーパーの安売りで買ったので1000円、あとは金網、磁石など材料費が1000円弱で基本的な機能のトースター焙煎器が出来ました。O博士によると焙煎は【最初低い温度でむらしを20分位、そして豆に火が通りだしたら一気に温度を上げてパッチという大きな音がピチピチという小さい音になったら完了】というものでした。つまり温度調節機能が必要なのです。ネットで探すとパワー半導体を使った電力制御器を売っていました。それが何と500円で部品とプリント基板も付いていたのです。早速購入したものの送料が同じだけかかったので温度調節器に1000円、合計3000円で簡易焙煎器第1号が出来ました。実際に試してみるとハンドロースターのように皮が飛び散ることもなくその点は良かったのですが、豆に焼きむらがあるように感じました。生豆が籠の中でもう少し動いて均一に焙煎できれば良いと思ったのです。

Photo_20190705214401Photo_20190705214402 そこで籠がトースターの中で回転しながら上下に動く ように工夫したのが写真に示す2号器です。原理は簡単で、籠の一方の支点を中心からずらすことにより籠の片方が上下して生豆が上下左右に動くようにしたのです。この2号器は廃物利用品で電力切替スイッチがついているので、最初500wでむらしをかけ次に1000wにして一気に加熱すればよく操作がシンプルになりました。ただ籠をトースターの中で上下動させるため小さくしたので、一回で焙煎できる生豆は60~80g位と少なくなりました。

Photo_20190705214302 最後に陶器製のハンドロースターを紹介します。これは私の娘からプレゼントされたもので、使い方は金網製のハンドロースターと同じです。ただ陶器があたたまっているため、焙煎が終わった時から豆を取り出すまでに時間がかかると、焙煎が更に進んでしまい深煎りとなってしまいました。このように使いこなすまでにはもうすこし経験を積む必要があるように思いました。

 

 

 

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栗焼酎・ダバダ火振

最近のテレビ番組はバス旅とか鉄旅など地方を訪ね歩く番組が多いように思います。日本の地方の豊かな自然や生活が楽しめるからでしょう!

Mutemuka3そうしたローカル鉄道の旅で、私の故郷に近い愛媛県の北宇和島駅と高知県の若井駅をむすぶ予土線が放送されました。この番組は男女のペアが土地の人に聞き込みをしながらその地方のお勧めの所を訪ねる番組です。この路線は日本最後の清流と言われる四万十川に沿っており懐かしく見ていると、高知県の土佐大正駅で日本酒と焼酎の酒造「無手無冠(むてむか)」が紹介されました。特に栗焼酎「ダバダ火振」は有名だとか。番組では30代の蔵人が案内してましたが、しっかりした考えを持ち好感がもてる若者でした。ということで栗焼酎「ダバダ火振」を買い求めた次第です。

Mutemuka4 この酒造は明治26年(1893年)創業と言いますから、100年以上続く老舗です。でも何故「無手無冠」なのか?その心は【冠におぼれず、飾らず、素朴な心を大切に自然を生かした酒造りを行う】ということから命名したとのこと。    では具体的にはどんな取り組みをしているのでしょうか?例えば米作りは農薬を使わない有機肥料を使い、雑草の除去のため紙を地面に敷いて穴をあけて苗を植える紙マルチ栽培法(紙は水に溶けて土に戻る利点がある)を採用。更に有機肥料は栗焼酎の搾りかすを利用するなど、いわゆる循環型農法を行っています。

Dabada3 さて栗焼酎「ダバダ火振」ですが、名前がユニークです。 どんな意味があるのでしょうか、調べてみました。    まずこの地方では山里で人の集まる場所を「駄場(ダバ)」と言い、夏に四万十川で闇夜にたいまつの火を振ってアユを定置網に追い込む伝統のあゆ漁法のことを「火振り」と言うことから、「ダバダ火振」と命名したそうです。     いかにも四万十川のそばで長年にわたり酒造りに励んでいる、その地にふさわしい栗焼酎だと思いました。

Dabada4 さてどんな味わいでしょうか?!  まずはお湯割りで!      芋焼酎と同じように甘い香りがしました。ただこれは栗焼酎だからというより発酵による焼酎独特の香りかな?とも思いました。口に含むと辛口の刺激を感じました。ガツンという強い刺激ではないもののしっかりとした味わいを楽しむことが出来ました。なお原材料には栗を50%使い、その他に麦と米を使っているそうです。

 

[メモ] 25度 栗、麦、米(国産)、米麹(国産米) 

     株式会社 無手無冠  高知県高岡郡四万十町大正452

     0880-27-0318   http://www.mutemuka.com/

【余談】 四万十川焼酎銀行

Dabada1Mutemuka1  この地では毎年焼酎を預かり(預金ではなく預貯酎)預かる期間に応じて「おまけ」(利息)を提供するユニークな銀行があります。銀行は毎年500壺限定(専用の美濃焼の壺)で栗を75%使った栗焼酎の募集を行い、 ①普通口座は、預入期間を1か月以上1年以内とし、利息は熟成による【うま味と香り】とする。②定期口座では1年、2年、3年の預入期間があって、年数に応じて預貯酎の小瓶が利息として付く、というものです。ネットでも申し込み出来るみたいですよ!いかがですか?!

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日本酒 梅錦・里海の環

Satoumi1 私には懐かしい四国・愛媛県の「梅錦」をいただきました。        「梅錦」は約20年前愛媛県松山市に転勤したとき知った地酒です。梅錦山川酒造は愛媛県の四国中央市にあります。 と言われてもピンとこないのでしょうが、市の名前は、平成の大合併で四国の香川県、徳島県、高知県に接していることから【四国の中央】ということでつけられたそうです。そしてs明治5年創業者は、四国で一番高い石鎚山の伏流水(軟水)が流れているこの地に酒造を開設したのです。

Satoumi3 さてこの「梅錦 里海の環」ですが、このお酒の特徴は【里海】という言葉に示されています。【里海】は【里山】に対する造語だと思います。【里山】が「人里近くにあって人の暮らしと密接に結びついている土地」であるなら、【里海】はどんな地域でしょうか?!この言葉の仕掛人は何と「JAおかやま」です!何で!?と疑問が湧きますが、【里海】は「人手が加わることで生物多様性と生産性が高くなった沿岸地域」と定義されています。        この発想の背景には、瀬戸内海で赤潮が発生し水質が劣化、魚介類の産卵・育成に影響を及ぼしていたのを、牡蠣殻を人工的に投入して水質を改善した経験があります。つまり牡蠣殻のミネラルやカルシウム、タンパク質が海水中の藻などの育成を助け水質改善に効果があったと考えられることから、田んぼの土壌や水質改善のために牡蠣殻の利用を思い立ったのです。

Satoumi2それにしてもなぜJAおやかまの事業に愛媛県の酒造が関係するのか?この里海事業を推進するため2018年4月に協議会が設立されましたが、2019年5月末現在で41団体が参加し、酒造では梅錦山川酒造が唯一参加しているのです。これは土壌改良された【里海】でつくられるお米、なかでも酒造好適米を使って酒造りを行うとの目標があったからでしょう。岡山県の酒造好適米といえば【雄町】ですが、過去に栽培地を拡大しようとして品質の劣化を招き、現在では岡山県赤磐郡の一部でつくられています。そこでこの里海事業では【雄町】づくりに取り組み、梅錦山川酒造が【雄町】を100%使った「里海の環」を造ったというわけです。

このようにユニークな経緯でつくられた純米吟醸酒「里海の環」は、どんな味わいでしょうか?早速試してみました。       冷酒で試しましたが、ほんのり甘い吟醸香がして口に含んでもまろやかな感じ。のど越しにやや辛口の余韻が残りました。美味しくてついつい盃を重ねてしまいました。それとワイングラスでも飲んでみましたが、おしゃれな感じでこのお酒のテイストに合うと思いました。

[メモ] 梅錦 里海の環 純米吟醸酒

     15度以上16度未満、岡山県産雄町100%使用、製造2019年4月

     梅錦山川酒造株式会社    http://www.umenishiki.com/

     愛媛県四国中央市金田町金川14

               瀬戸内かきがらアグリ事業概要  http://satoumi.jp/jigyou.html 

 

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ウィスキー・Aberfeldy(アバフェルディ)

Aberfeldy1 Aberfeldy2 久しぶりにスコッチ・シングルモルト・ウィスキーを飲んでみました。    Aberfeldy(アバフェルディ)という、スコットランドの中央部ハイランド地方のシングルモルトです。この蒸留所は1896年にJohn Dewarによって建設され2年後に運用を開始しました。場所はテイ川の傍にありますがこの地は良質な水が得られたことと、パース港に通じる鉄道が通っていたので選ばれたとのこと。そのためでしょう、ボトルを入れる円筒形のケースには、川と蒸気機関車が描かれていて、建物の傍に停められた機関車の荷台には貯蔵樽が並んでいます。            この蒸留所が設立された時代は、19世紀末の【ウィスキー・ブーム】が興った時期でしたが、第1次、第2次の世界大戦によって原材料の大麦不足などで運用を休止せざるを得なかった期間があり、その後1925年に創業者一族が売却したこともありました。第2次世界大戦後、1972年と翌年に蒸留器4基を新設するなど設備の充実が図られ、再度1998年に創業者一族がこの蒸留所を買い戻すなど、120年余も続く蒸留所には紆余曲折の歴史があります。

Aberfeldy4Aberfeldy5 ところで私はスコットランドのウィスキーメーカーはシングルモルトを中心に生産していると思っていましたが、この蒸留所ではブレンドウィスキーに注力していて、シングルモルトの生産量は全体の1%以下だとか。これには驚きました!シングルモルトとブレンドの生産割合は各社のポリシーにかかわることから、なかなか公表されてませんが、この点は興味のあるところで折に触れて調べてみたいと思います。            さてスコットランドにはピクト人(Picts)という古代人が住んでいて、その名残が地名にあります。特に接頭辞が例えば『Aber』、『Fin』、『Pit』などで、この蒸留所名『Aberfeldy』も古代ピクト語の地名だとわかります。シングルモルトで『Aberlour(アベラワー)』がありますが、これもスコットランドのスペイサイドというハイランドよりも北の地区にあります。これ等は古代ピクト人が使っていた地名が現在も残っている証左でしょう!            Aberfeldy3さてこのシングルモルトはどんな味わいでしょうか?!やや明るい黄金色で、そのまま飲んでみました。口に含んでみると舌先に刺激がなくてソフトなタッチでした。でも口の中で温まっていくと辛口の刺激が強まり余韻が残りました。

[メモ]40%,Distilled & Bottled in Scotland  by John Dewar and Sons LTD                                 Aberfldy, Perthshire, SCOTLAND

 

 

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ジョージア・ワイン(その2)

前回に続いてジョージア・ワインを紹介します。

ジョージアでは八千年以上ワインづくりが行われています。そのきっかけは、『紀元前6世紀頃ブドウジュースを土器の壺に入れてひと冬寝かせたところ今でいうワインになった。』ことだそうです。その後ブドウ栽培が盛んになりKvevrisという地中に埋めた大きな壺状の土器に貯蔵するようになりました。 古くからワインづくりが行われて来たのは前述の偶然による発見もありますが、ジョージアの気候も関係しています。この国は夏でも半袖で過ごせるくらい涼しく冬は温暖。しかもコーカサス山脈を源とするミネラルを多く含んだ豊富な伏流水、黒海の影響による温暖で湿気を含んだ空気、とブドウ栽培に適した土壌と気候が備わっています。

Gwine1Gwine2 さて今回飲んだのは、ジョージアの東部カヘティ地方(上図参照)にあるギウアジュヴィリ(Giuashvili)家の赤ワインです。この家系では古くからブドウの栽培とワインづくりを行ってきていて、1894年息子の誕生を機に本格的なワイン造りを行うようになったとか。そして2010年には本格的なワインメーカーとして出発し、銘柄も「Giuaani(家名を方言で呼んだもの)」に統一したとのこと。その製法の特徴は、ブドウを破砕後果汁と果皮をステンレスタンクで1、2日間低温で保ち、その後酵母を加えて25日程度発酵させるものです。この低温貯蔵法は「スキンコンタクト」と言ってブドウの香り成分を果汁に溶け込ます効果があるそうです。

Gwine3Gwine4 もう1本は、ジョージアの西部黒海に近いバグダティ(Baghodati)地方のワインです。「Vartsikhe Marani」という銘柄で、ラベルにあるTsitskaとTsolikouriという文字は、ブドウの種類を示していて、2種類のブドウが使われていることがわかります。このワイナリーは手造りを基本に添加物を加えず少量生産を行っています。ブドウは有機栽培で行い昔ながらの製法・・すなわちKvervriで貯蔵してひと冬越した後、別のKvevriに移して数か月後に取り出して瓶詰めをする・・で行っており、これはかなりの重労働で人手もかかる作業です。今回飲んでみたのはいわゆる【オレンジ・ワイン】です。これは白ワインの工程で搾汁後果汁と果皮を分離しないので、果皮の色素がワインに移りオレンジのような色になるからです。ただ一般に【オレンジ・ワイン】という区分はなく、2004年にイギリスのワイン輸入業者が言い出したのが始まりのようです。

さてそれぞれのワインの味わいはどんなものでしょうか?

Gwine5 最初のGiuaaniの赤ワインは酸味が独特でした。ちょっと酸っぱく悪く言うと鼻を衝く酸味でした。でもそんなに不快な感じはありませんでした。その分タンニン酸が少ないのか渋みが軽いように思いました。次にVartsikhe Maraniを試してみました。グラスに注ぐと濃い黄金色をしてました。これをオレンジというのはちょっと無理かなと思いますが、でも白ワインにしては濃い色合いでした。味わいは濃厚で酸味を少し感じる美味しいものでした。ラベルの下に手書きで【407/951】の数字が読めるので、951本中407番目に瓶詰めされたようです。なおこのボトルは栓の部分がロウ付けされていて、ロウを削って開栓するのに苦労しました。

[メモ] Giuaani  2014             12.5% Dry Red Geogian Wine

                             Kakheti, Manavi, Sagarejo Region, Georgia

               Vartsikhe Marani  2016     11.5% Dry White Wine

                             Varutsikhe 1002, Baghdati district, Geogia

 

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ジョージア・ワイン

今回取り上げるのは「ジョージア・ワイン」です。Ggmapja_1     【 ジョージア共和国】はロシアとトルコに挟まれ一部を黒海に面しています。わが国では長年【グルジア共和国】と称していましたが、この国でロシア語由来の「グルジア」を嫌う傾向があるそうで英語圏の呼称「ジョージア」が一般的になっているとか。むしろ関取「栃ノ心」の出身地と言ったほうが分かりやすいかもしれません。

Gotsa1_1 さてこのジョージアは、葡萄を醸造する文化が八千年以上続いていると言われており、土器【Kvevri(クベリ)】(右の写真)を使った伝統的なワイン製法が無形文化遺産に指定されています。

Gotsa3_1今 回ジョージア・ワインを4本購入したので、順次紹介していきたいと思いますが、今回は「Gotsa(ゴッツア)」という銘柄のロゼと白ワインを飲んでみました。ワイナリーは祖父の代(1860~1940年)に開園し、現在は孫のべカ氏一家が醸造に携わっています。なお銘柄の「Gotsa」は家名のGotsadzeの一部を使っているのではないか、と私は考えます。なお当主のベカ氏は元建築士という変わり種です。でも『当主が後を継ぐのは当然!』ということで、建築士の仕事に未練はないようです。一家はAsureti谷にある農園で有機農法によりブドウを栽培し、収穫されたブドウは標高1300mにある土地(Kiketi)でワインを醸造しています。わざわざこうした手間をかけるのは、冷涼な気候が微細なコントロールが必要な発酵作用やワインの個性を決める熟成を可能にするからだそうです。熟成については古典的な方法で行われています。その方法は、①野生のイースト菌を使用、②埋め込みの土器クベリ(埋め込みの大きな壺)に貯蔵、③フィルターをかけずにボトルに詰める、というものです。

Gotsa5_1Gotsa4_1 さてこのような製法で作られたジョージア・ワインはどんな味わいでしょうか?    今回味わったのは、Gotsa TAVKVERI 2015のロゼ・ワイン(写真右)、とGotsa Tsistska-Tsollauri 2016の白ワインです(写真左)。いずれもNatural Wineとの表記されて有機栽培のブドウを使っているいることを表しています。    先ずはロゼ・ワインから・・・色はピンクというよりもやや薄く赤みを帯びた色でした。ほんのり甘い香りがして口に含むと弱い渋味すなわちタンニンを感じましたが、飲みやすい味わいでした。次に白ワインですが、色がやや黄色味、うすいウィスキーのような色合いでした。味わいはやや酸味を感じましたが、軽い味わいですいすい飲めました。

 

[メモ] Gotsa Tavkveri 2015 11.5%  

                  Rose Georgian Natural Wine       Asureti Valley, KARTLI 

              Gotsa  Tsistska-Tsollauri 2016  12% 

                  Dry Unfiltered,Unfined White Wine      Asureti Valley,KARTLI

 

 

 

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芋焼酎・あらわざ

Arawaza01鹿児島・本坊酒造の芋焼酎「あらわざ」を紹介します。
「あらわざ」というと荒業という言葉を思いつきますが、この焼酎では新技と書いて「あらわざ」と読むのです。理由は芋焼酎の蒸留に【磨き蒸留」法という特許を取得した新技術を使っているからです。
実はこの「あらわざ」はかつてこのブログで取り上げていて(2015年5月)、ここでは特許を取得した新技術を簡単に紹介した後、本坊酒造について詳しく紹介します。
Honbou01酒造りの工程で蒸留は、原材料を酵母で発酵させた【もろみ】を釜で加熱し、気化したアルコール蒸気を集めて冷却し液体として取り出す。つまり蒸留はアルコールを抽出し濃度を高める工程といえます。そこで【磨き蒸留】法では蒸留釜に新鮮な空気を送り込む方法を採用。こうすることで蒸留中のもろみに空気の対流を発生させ、釜の中のもろみを安定化・均一化する効果があるそうです。でもただ空気を送り込むだけではだめで、釜の形状、蒸留時間、蒸気圧、もろみの量、等々を計算し試行錯誤を繰り返して、もろみを最適な状態で対流させる製法を確立したとのこと。
このように技術開発に熱心な「本坊酒造」とはどんな会社でしょうか?
創業は1872年(明治5年)といいますから、150年近い歴史がある会社です。現在の規模は、資本金が1億円、従業員が200人。少人数で特徴ある焼酎を造る会社が多いこの業界では、非常に大きな会社です。・・・で製品も多岐にわたり、焼酎はもちろん、ワイン、ウィスキー、更に梅酒、まで!
本業の焼酎造りでは、津貫貴匠蔵、知覧醸造所、屋久島伝承蔵、薩摩中郷蔵、と鹿児島県に4つの醸造所を構えています。例えば津貫貴匠蔵は、匠の技を継承するため【匠は貴し】という意味で名づけられるなど、それぞれの目的に応じた醸造所を設置しています。またワインについても山梨県の笛吹市に山梨ワイナリーを設置し(1960年)、2017年には同じ山梨県の韮崎市に穂坂ワイナリーを開設しています。
更にウィスキーについては、【日本のウィスキーの父】と言われる竹鶴正孝氏が勤めた摂津酒蔵(兵庫県)の創業者である岩井喜一郎氏を、第二次世界大戦後本坊酒造に招へいしたのです。そして鹿児島でウィスキー醸造を始め、その後最適な地を求めて山梨(1960年)、信州(1985年)に次々と蒸留所を建設し、1916年に本家帰りというのでしょうか鹿児島県津貫に蒸留所を建設しました。
Arawaza02このように創業地の鹿児島だけでなく、全国に展開しているのは焼酎醸造から出発した企業としては珍しく、マルチ展開が可能となるのは、資本力があるからこそなせる業です。
さて今回の「あらわざ」はどんな味わいでしょうか?
お湯割りで試しましたが、マイルドで優しい味わいでした。だれにでも受けいられそうな味わいでした。酒造では外国での需要を意識してラベルは英語の表記もあり、外国の品評会に積極的に出品してます。実はこの「あらわざ」、前回2015年に紹介した時には、IWSC2013で(世界的なアルコール飲料専門の品質・味覚協議会)金賞に輝きましたが、その後ISC2016(イギリスの酒類専門出版が主催)でも金賞を獲得してます。

[メモ] 25%、さつま芋(鹿児島県産)、米麹(国産米)
     本坊酒造株式会社
     鹿児島市南栄3番町27番地 http://www.hombo.co.jp/

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