ウイスキー・サンピース(Sun Peace)

Sunpeace1スーパーのお酒コーナーには、日本酒、焼酎、ワイン、そしてウィスキーとそれぞれのジャンルで多くの銘柄が並んでいます。その中で今回取り上げる「サン・ピース」を見つけました。このウィスキーは【地ウィスキー】で、メジャーではありません。ではなぜ興味を持ったかというと、酒造名に【宮崎本店】とあり、これを見て私は『キンミヤ焼酎の宮崎本店だ!ウィスキーも作っているんだ!』とびっくり。  このブログで2009年3月『ホッピー』を取り上げました。 「キンミヤ焼酎」は大衆酒場で人気の【ホッピー】に使われています。そもそも「ホッピー」はノンアルコール炭酸飲料の商品名で、この「ホッピー」で「キンミヤ焼酎」を割ったものが酒場で人気の【ホッピー】になっている、という複雑というかややこしい事情があります。それは焼酎であれば何でも良いと言う訳ではなく、キンミヤ焼酎をホッピーで割った場合がベストだからだそうです。こうした事情を酒造も分かっているようで、『キンミヤ焼酎は【下町の酒場を支える名わき役】との位置づけで頑張っている』とのこと。    以上が数あるウィスキーから「サン・ピース」を選んだ理由です。

Sunpeace3 さてこの宮崎本店、三重県の四日市市で創業は1846年と言いますから170年余続く老舗の酒造です。現在までに地域の30余りの酒造を統合する形で大きくなり、敷地は延べ8千坪になるというから驚きです。ホームページを見ると、昭和初期に建てられた貯蔵庫や倉庫が重厚な黒壁で覆われ、歴史を感じさせられます(1996年文化財建造物に指定)。   さて肝心の「サン・ピース」ですが、これは第二次世界大戦後の混乱期に太陽が輝く平和を願い命名したとのこと。かなり歴史のあるウィスキーですが、残念ながら情報がありません。    酒造りには仕込み水が大切なポイントで、この点鈴鹿山脈系の伏流水(これが超が付く軟水だそうです!)を使うことの出来るこの酒造は有利です。この利点を生かしてウィスキー造りも手掛けたのだと推察します。例えば焼酎の製造については、『焼酎は原材料、製法は同じだから、品質の差は仕込み水で違う!この点超軟水の伏流水を使う我が社は有利!』と言ってるとか。    まぁ原材料によって味わいは変わるとは思うんですが・・・

Sunpeace2 情報が少ない中では味わいが決め手ですから、先ずは飲んでみましょう!ラベルにアルコール度37%となってました。 あれ!ウィスキーは40%じゃなかったのかな?と思って調べてみると、ヨーロッパやアメリカではアルコール度40%以上と規定されてますが、日本では最低度数は規定されてません。なるほど37%でもウィスキーとして通用するのです!・・・ただし日本だけで!!では、味わってみましょう!明るい琥珀色で、飲んだ感じは軽快でソフトなものでした。ライトボディのとっつき易いウィスキーでした。  なお酒造によると黒ホッピーで割るのもお勧めだそうです。次は試してみましょう!

 

[メモ] 37% モルト、グレーンスピリッツ

     株式会社 宮崎本店 三重県四日市市楠町南五味塚972

     059-397-3110  http://www.miyanoyuki.co.jp

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日本酒 甲斐の開運 北嶺 特別純米

Kkaiun2 ここ数か月体調を崩してブログの更新が途絶えており、失礼しました。休んでいる間にコロナウイルスが蔓延し、不要不急の外出は控えるようにとのこと。そしてYouTubeを見ると黄色い帽子をかぶった【コロナ猫】まで登場するありさまで、いささか欲求不満状態が続いております。そこで、買い置きをしていた「甲斐の開運 北嶺 特別純米酒」を飲んでみました。このお酒は富士五湖巡りの途中、道の駅に立ち寄り買い求めたものです。数ある地酒の中でこの酒に注目したのは【甲斐の開運】(井出醸造店・山梨県富士河口湖町)という名前です。Kkaiun1_20200329215401 【開運】というのは静岡県掛川市の土井酒造場のものが全国的に知られていますので、重複を避けるために【甲斐の開運】としたのかもと考え調べてみました。するとこの井出醸造店は江戸中期(1700年頃)に醤油の醸造を始め、江戸末期(1850年頃)に16代井出與五右衛門が清酒の醸造を始めたと言われています。意外や意外、歴史ある酒造なんですね!!そして清酒醸造の時期が皇女和宮の婚姻と重なったことから、それにあやかって【開運】と命名(右にその時のラベルを掲示)、その後【開運正宗】とし更に昭和60年から【甲斐の開運】と名乗るようになったそうです。

Kkaiun1 さてこの酒造は富士河口湖町という標高850mの高所に位置し冷涼な気候の土地にあります。また富士山系の豊富に湧き出る清冽な水を酒造りに生かしているとのこと。     詳しく見ていきましょう!先ず水は、冬に積もった雪が解け山の内部にしみこみ、天然の濾過層である溶岩層を通って湧き出ているのでミネラルを豊富に含んだものとなってます。また酒造好適米については精米と洗米に力を入れているとのこと。まず精米段階で米粒の表面に付いている雑味成分を除くため精米歩合は40%(60%を捨てる)等とし、更に洗米では米粒を壊さないように手洗いで行っていて、寒い冬場に5度位の水の中で行うのはつらい作業になるそうです。富士河口湖町の平均気温は11月が7度、12月2度、1月-1度、そして2月は0度、と冷涼な気候の中で酒の仕込みが行われます。このため酒造が最も心がけているのは温度管理で、例えば特別純米や吟醸系のお酒は火入れは一度だけで火入れ後すぐに冷やして高温状態を2分以内にする、また貯蔵・熟成は温度管理した部屋で行う、など品質の維持向上に努めているそうです。

Kkaiun3 さて早速試してみましょう!特別純米酒ですから、先ずは酒造お勧めの冷や(8~12度で、と書いてありました)で飲んでみました。酒造によると『なめらかな口当たりに果実のような含み香。軽快感としっかりした味わいを両立』とあります。私はそんなに繊細な感覚をもってませんが、トライしてみました。・・・で、かすかに香りがするものの全体としてあっさりとした味わい、淡麗辛口の味わいでした。   次に酒造のお勧めにはありませんが、ぬる燗で試してみました。ほのかに甘い香りが強まったように感じましたが、辛口の味わいで軽やかな飲み心地は変わりませんでした。やはり冷酒の方が飲みやすいですが、飲み過ぎには注意が必要です。

[メモ] 15度~16度、原材料 米、米麹(国産米)、麹米・掛米   (玉栄)、仕込み水(富士山伏流水)、日本酒度+2、酸度1.2

     井出醸造店 井出預五右衛門 山梨県富士河口湖町船津8番地

     http://www.kainokaiun.jp

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ワイン・Take-Bow the last one

  Takebowlast1  今や甲州ワインは日本を代表するワインの一つと言ってもいいでしょう!山梨県には数多くのワイナリーがあり、サントリーやメルシャンなどの大手をはじめとして、ここで紹介する「まるきワイナリー」のような小粒ながらキラリと光る特徴のあるワイナリーがあります。実はわたくし、このワイナリーとは【マイワイン・システム】を通して10年近くお付き合いがあり、折に触れてこのブログで紹介してきました。今回このシステムが終了し利用するのが最後となったので、このワイナリーの特徴などを簡単に振り返ってみることにします。     Marquis6 先ずはその歴史から・・・明治に入って山梨・勝沼でぶどう栽培と醸造技術を学ぼうと勝沼町祝の土屋龍憲と高野正誠の両名が1877年(明治10年)フランスに派遣されました。  そして2年後帰国した土屋龍憲は、フランスから持ち帰ったブドウの苗が害虫に侵され廃棄せざるを得なかったため、 地元の甲州ぶどうにこだわったワイン造りを行い、1891年「マルキ葡萄酒」を設立したのです。(右写真・設立時の屋号を示す看板が店内に飾られています。)        Marquis1 このワイナリーの特徴を私なりに一言でいうと『ユニークな取り組みをしている』ことです。例えば減農薬の取り組み、羊を使った不耕起草生栽培(2008年~、雑草を増やしながら土壌の持つ微生物の力を利用する取り組み。)、サスティナビリティへの取り組み(2013年~、一例として羊の放飼いによる循環型農法など)。更に自社農園も山梨県以外にも、北海道、群馬県、長野県にも所有し、それぞれの土地にあったブドウ栽培を行っています。            さてこうしたユニークな取り組みの中で、私が最もお世話になったのが前述した【マイワイン・システム】です。これは1972年に始まり正式名称を『ワインを楽しむ会(Discover Wine Life)』といいます。辛口、樽塾のコースがあり申し込み後5年間、好きな時に蔵出しが出来る仕組みです。更に自分でデザインしたラベルを張り付けてもらえるのでマイボトル的な楽しみもありました。ただ残念ながら貯蔵倉庫のスペースの確保が難しくなったそうで、2016年から新規の申し込みが終了しました。このため私が契約していたマイワインも最後の蔵出しとなり、今回最後の1本を味わうことにしました。なお組み合わせに【ラフィーユ・トレゾワ 南野呂収穫】の赤ワインを選びました。     Takebowlast2 Takebowlast3 先ず白ワインの「Take-Bow」を味わいました。2015年の甲州種を仕込んだ辛口コースのもので、辛口のあっさりした味わいが特徴です。樽塾コースでは、樽に長期間貯蔵することでワインが黄金色に変化するのを楽しむことが出来ましたが、辛口コースは多分ステンレス製タンクで貯蔵されているので樽塾コースほどの変化を楽しむことは出来ません。そらでも時間とともにゆっくりと熟成が進むのでその変化・・・少し酸味を感じるものの、口当たりが柔らかくまろやかな味わいを楽しむことが出来ました。                       次に赤ワインの「ラフィーユ・トレゾワ・南野呂収穫」を味わってみました。このワインは甲州市の隣にある笛吹市南野呂の単一畑で収穫されたベリーA種を使いフレンチオーク樽で熟成したものです。赤ワインの特徴であるタンニン酸が少ないのでしょうか、あまり渋みを感じずまろやかな味わいでした。このワインにはテイスティング・チャートが貼ってありワインを選んだり飲むときの参考にすることが出来ます。親切な試みだと思います。

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日本酒・男山 北の稲穂 大吟醸

Otokoyama02 今回は日本酒の「男山 北の稲穂 大吟醸」を飲みました。このお酒は北海道の旭川市にある男山株式会社(この記事では便宜上【男山酒造】とします)のものです。実は私、この酒造が旭川市にあることを知って驚きました。と言うのも「男山」という銘柄が、まさか北海道のお酒とは知らなかったからです。そこでこの酒造について調べてみました。  すると興味ある事実が・・・【男山酒造】は1887年(明治年)に山崎酒造として旭川市で創業。その後1968年に男山株式会社に名称変更し現在に至ってます。しかしこの「男山」という銘柄のルーツは江戸時代にあることがわかりました。                江戸時代の1661年(寛文元年)、五摂家の筆頭で伊丹(現大阪府伊丹市)の領主であった近衛家が、清酒の醸造を奨励したことから、摂津伊丹の山本氏が酒造りをはじめ、その後山本三右衛門が男山八幡宮の名前をとり、「男山」という銘柄を発売したのが始まりだとか。当時は【木綿屋山本本家】の屋号をOtokoyama01 なのり、清酒が珍しかった江戸時代で「男山」は【下り酒】(上方から江戸へくだって輸送した酒)ブームが興り、元服の御膳酒の定番酒や江戸幕府の官用酒『御用酒』となったのです。そして「男山」は歌舞伎や浮世絵などでも取り上げられ、例えば喜多川歌麿の「名取酒六家選」という浮世絵に描かれているとか。この浮世絵をネット検索してみましたが、見つけることは出来ませんでした。なお酒造のホームページに掲載されている浮世絵の資料を再掲します。   ではなぜ「男山」という銘柄が、摂津伊丹の【木綿屋山本本家】から北海道旭川の【山崎酒造】、そして【男山酒造】に継承されたのでしょうか?    それは江戸時代後期、灘酒のブームによって「男山」は人気が凋落、【木綿屋山本本家】は明治初頭に廃業してしまいました。その後1899年(明治32年)に旭川で創業した【山崎酒造】が山本本家の末裔を探し出し、「男山」の銘柄を使うことを許諾してもらい、その後正式に継承したのを契機に1968年に【男山酒造】(正式名称は男山株式会社)に社名変更したのです。「男山」という銘柄は、江戸時代から続く超有名銘柄なので、このような形で現代に継承されたのは喜ばしいことです。

Otokoyama03 ところで「男山」の特徴はなんでしょうか?!先ず第一に北海道産の酒造好適米を使っていることです。北海道産の好適米は「初雫」とか「吟風」がありますが、どの好適米が使われているかは記載されていません。次は仕込み水で、これには大雪山の伏流水が使われています。そして最後は旭川という北海道のど真ん中にある盆地の冷涼な気候風土です。  こうした条件がそろった「男山 北の稲穂 大吟醸」はどんな味わいでしょうか?早速試してみました。酒造によると常温と冷酒がお勧めなので、先ずは常温で飲んでみました。やや酸味を感じる香りがして、口当たりは優しくまろやか。口に含んでいると辛口の酸味が出てのど越しに辛口の余韻が残りました。次に冷やして飲んでみました。控えめの吟醸香がしてやや甘みも感じました。冷酒で口当たりが良いため、ついつい盃を重ねて酩酊してしまいました。

 

[メモ]16度、米(国産)、米麹(国産米)、北海道産酒造好適米100%  醸造アルコール、精米歩合40% 男山株式会社 北海道旭川市永山2条7-1-33

     

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ワイン Bierzo Mencia Joven (ピエルソ・メンシア・ホーベン) 2017

Mencia1 スペインの赤ワイン「Bierzo Mencia Joven 2017」を飲んでみました。このワインは、【エル・カミーノ(El Camino)シリーズ】の一つで『フルボディ』ということなので、味わいがどんなものか期待できます。このワインを造るワイナリーはスペイン北部カスティーヤ・イ・レオン州の温暖な地Bierzo(ピエルソ)にあって、設立は1879年という約140年の歴史があります。2013年にはスペイン・ワインで初の世界No1に選ばれたこともあるそうです。          スペイン北部でワインづくりが盛んになった条件としては、もちろん気候・風土も挙げられますが、この他に【サンディアゴ・デ・コンポステーラ】と【エル・カミーノ】という言葉がキーワードとして挙げられます。       Santiago_de_compostela__cathedral ここで【サンディアゴ】とは、イエス・キリストの十二使徒の一人で、最初の殉教者・聖ヤコブのスペイン語読みであり、【コンポステーラ】はラテン語由来で、星の野とか墓場という意味もあるそうですが、ここでは【良い場所】とか【ふさわしい場所】の意味でつかわれています。つまり【サンディアゴ・デ・コンポステーラ】とは、【聖ヤコブにとってふさわしい場所】ということになります。その理由は、1世紀半ばに聖ヤコブが処刑され遺骸が船でスペイン北部に運ばれ埋葬され、その後9世紀になり神のお告げにより羊飼いが発見した、という故事にのっとりこの地に聖堂が建てられたのです。このため【サンディアゴ・デ・コンポステーラ】は、カトリック教信徒にとってローマ、エルサレムと並んで最も人気のある巡礼地となっています。 

Map_santiago_de_compostela2Map_santiago_de_compostela そしてこの地を目指す巡礼の旅がフランスとスペインの国境を隔てるピレネー山脈を越えて聖ヤコブの埋葬地を目指す道を【エル・カミーノ】と言います。その距離はスペイン国内で約800kmといわれています。さてこの巡礼路では無料の宿泊所や無償の奉仕活動が行われているとか。まるで四国のお遍路さんと同じです!四国遍路道は約1000kmと言われ、先々でお接待という無料でお茶や簡単な食事がふるまわれる風習があります。こう考えると【エル・カミーノ】沿いにワイナリーが出来、巡礼者がワインを飲んで疲れをいやす、といったことが自然に行われ現在に至っているのでしょう!

Mencia2 さて「Bierzo Mencia Joven 2017」はどんな味わいか?  華やかな香りがしましたが、赤ワイン独特の渋みはあまり感じられず柔らかいテイストでした。『フルボディ』と言われていますが、濃厚ではあるものの口当たりがよく、果実味とタンニン(渋み)とのバランスが取れた飲みやすい赤ワインでした。

[メモ]14% 格付けDenominacion de Origen(D.O)

    Por Re 8172/LE00 Cacabelos Leon Espana

 

 

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知覧Tea酎・茶

Tea01 先日テレビの歌番組で、『焼酎天国』(歌・島津悦子)が 流れてきました。  

いただきもっそう焼酎天国               ひとつおじゃったもんせ鹿児島へ            ふとか男は 西郷隆盛                 三つみあげる 桜島                  四の五のいわずに まず一献

と軽快なリズムで数え歌風に歌詞が続きます。恥ずかしながら私は初めて耳にしました。そして間奏には、『いっぺこっぺ ちりりんりん、わっかおなごが ちりりんりん』という私にはよくわからない歌詞が続きました。    特に『いっぺこっぺ』ってどういう意味なんでしょうか?!薩摩弁?鹿児島弁?わかる方は教えてください。

Tea02 さて今回取り上げるのは、知覧一番茶葉とさつま芋を使用した焼酎「知覧Tea酎」です。ところで茶葉と芋をどうやって融合させるのでしょうか?通常芋焼酎の製造過程は、①製麹(せいさく):原料米に麹菌をつける、②一次仕込み:米麹、水、焼酎酵母を入れ発酵させる(発酵したものを【一次もろみ】といいます)、③二次仕込み:一次もろみにさつま芋、水をいれて発酵させます。その後二次仕込みでできたもろみを蒸留し、蒸留後の焼酎に含まれる油分を除いてタンクに貯蔵・熟成します。      この「知覧Tea酎」は、二次仕込みの段階でさつま芋と緑茶の茶葉を加えて発酵させています。こうすることで【緑茶のさわやかな香りと芋焼酎の豊かな味わい】を感じることが出来る!とは酒造の言葉です。

Chiran01Tea03 さてこのユニークな焼酎を造っているのは、鹿児島県南九州市知覧町の知覧酒造です。知覧町と言えば薩摩の小京都と言われ【知覧武家屋敷群】が文化財に指定され、また太平洋戦争末期の特攻出撃地としても知られています。一方知覧町はお茶の栽培でも有名で、2018年の統計によると全国市町村単位で生産量第一位となっています。知覧酒造は1919年(大正8年)創業と言いますから、今年で100年目になります。現在の当主は四代目で杜氏も兼ねていて、『人も麹も自然からの授かりもの。大切に育み生きる。』というのが信条だそうです。そして酒造りにおいては『機械で造るな、五感で造れ!』をモットーに、前述の製麹(せいさく)工程では手作業で切り返し(混ぜること)を行うなど、手造りを心がけているそうです。

こうしたこだわりの緑茶とさつま芋を融合させた「Tea酎」はどんな味わいでしょうか?! 色は無色透明でした。緑茶で少し色づいているかと思ったのですが、ちょっと意外でした。まぁ蒸留酒なので当然ですかね?!      香りは芋焼酎独特の少し甘い匂いがありません。お湯割りで試してみました。酒造の言う『緑茶のさわやかな香り』はあまり感じられませんでしたが、芋焼酎としてはアッサリ系の飲みやすいものでした。

[メモ] 25度、さつまいも(鹿児島県産)、米こうじ(タイ産米)、         緑茶(鹿児島県産知覧茶葉)                 知覧醸造株式会社 鹿児島県南九州市知覧町塩屋24475番地   http://www.chiranjozo.co.jp

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日本酒・酔心 純米吟醸 杜氏入魂

Suishin02 今年は8月に入って暑い夏が続いています。暑い時に日本酒を飲むには冷酒にして飲むのがいいと思い、今回は「酔心 純米吟醸」を冷やして飲んでみました。         ところで「酔心」は【広島の酒】というイメージですが、 実は広島県三原市の酒造【酔心山根本店】のお酒なんです。この三原市には戦国大名の小早川隆景が築いた三原城があります。この地は瀬戸内海に面していることから、隆景は水軍を整備し海上と陸路の交通のかなめを抑え発展させました。お酒と言えば江戸時代にはにごり酒が主体だったそうですが、三原では現代の清酒に近いお酒も造られていたとか。交通の要所であるとともに最新の情報が集まってきていたのがうかがえます!

Suishin01 さて創業は万延元年(1860年)といいますから、160年近く続く酒造です。そして明治の中頃に当時20数種あったお酒の銘柄を統一するため二代目の当主があれこれ考えていたところ、ある夜夢枕に白髪の老人が立ち『酔心(よいこころ)とすべし』とのお告げをしたそうです。・・・う~ン、これはちょっとまゆつばだと思うけど、ホームページに掲載されているのでそのまま紹介します。

ところで「酔心」の特徴は何でしょうか?第一は【仕込み水に超軟水】を使っていることでしょう!軟水はミネラルが少なく発酵がゆるやかに進む特徴があり、その結果酵母が香りの源であるエステルを作り出すそうです。このため超軟水による酒造りは、ふくよかで上品な甘み、うま味があり香り高いお酒ができるとのこと。現在使われている仕込み水はブナの原生林が茂る鷹ノ巣山山ろくの湧水で、五代目、六代目の当主が2000年に掘り当てたとのこと。老舗といえども良い仕込み水を求めて努力されているのですね!  次は【米】です。酒米としては最高級との評判の山田錦のほか、広島県産の酒造米をつかっていて、精米歩合は65%以下、最高で30%まで磨き上げているそうです。  更に酒造りで重要な米麹には、「突き破精(つきはぜ)型」の麹を使っているとのこと。聞きなれない言葉ですが、蒸した米に麹菌が繁殖し菌糸が白く見える部分を破精(はぜ)といい、破精が蒸米の内部に深く食い込むタイプのもの(これを、突き破精型という)が吟醸酒を造るうえで理想とされているとか。地酒と言えどもそれぞれ歴史があり、良いお酒を造るための努力が積み重ねられていることが、良くわかりました。

Suishin03 さて冷やした「酔心 純米吟醸」を早速飲んでみました。 ほんのりとした甘い香りがして、口に含むと柔らかい口当たりでした。全体に優しい甘口の味わいで、冷たいので飲みやすくついつい盃を重ねて酩酊してしまいました。

[メモ] 16度、軟水仕込み 精米歩合60%

     広島県産酒造好適米 八反35号100%使用

     株式会社酔心山根本店  広島県三原市東町1-5-58

     http://www.suishinnsake.co.jp/

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ウィスキー・ロイヤル ロッホナガー(Royal Lochnagar)

Royal_lochnagar1 スコッチのシングルモルト・ウィスキーを飲んでみました。今回飲んだ銘柄は「Royal Lochnagar」で、実は約4年前にこのブログで取り上げてました(2015年9月)。      前回紹介したようにこのLochnager蒸留所は1845年に創設されましたが、実はその前史があります。1823年にディ川の北側にジェームス・ロバートソンが設立したのですが焼失してしまい、再度1826年に再建したものの同じように焼失してしまったのです。彼はよほどついていなかったのです。  その後ジョン・ベグが1845年にディ川の南岸に蒸留所を建設しました。  【岸を変えたので、ツキが変わった!?】のでしょう、その後現在に至るまでLochnagar蒸留所は稼働しつづけています。こうしたことからこの蒸留所の公式の開設年は1845年となっています。

Royal_lochnagar_distillery1Royal_lochnagar_distillery4 さてこの蒸留所はスコットランドで最も小さい蒸留所の一つで古い石造りの建物や穀物置き場は今も良く使われている、とのこと。ここでホームページを見ると、歴史を感じさせられる建物の写真を数多く見ることが出来ます。 蒸留所の場所はディ川の南岸といっても小高い山を隔てているので蒸留所の周囲は自然に恵まれた環境で、創建当時のものでしょう石積みの建物が多くて、そのそばに近代的な貯蔵タンクが配置されています。                                  Royal_lochnagar_distillery5 また【Cooper Age】という看板がある建物の写真では、壁は石が幾重にも積み重ねられているのが見て取れます。 この看板で、Cooperは「桶屋、たる製造者、酒屋」の意味があり、Ageは「歳をとる、熟成する」の意味だそうです。なのでこれは私の想像ですが、この建物は「たる熟成庫」ではないかと思います。Ageの意味が「歳をとる」から「熟成する」へと変化していくのは、我々日本人の感覚ともあっているようで、私は面白く感じました。もっとも最近では、『歳をとっても熟成しない人』も散見されますけどね!!・・・ウィスキー造りの決め手の一つである水は、ロッホナガー(Rochnagar)という山の湧水を使っているそうで、この湧水はバルモア城を通って蒸留所に流れてきているとか。そういえば、バルモア城はヴィクトリア女王が1848年に買い取り、その後ベグが女王を招待したところ女王から「王室御用達」の勅許状が届き、以後Royalの名前を冠するようになった、との逸話は前回紹介したとおりです。       Royal_lochnagar_distillery3 ちょっと話題がそれましたが、この蒸留所では単式蒸留器(ポットスチル)を2つ備え、一つ目はウォッシュ(もろみ)スチル、次に再蒸留してスピリッツを取り出すスピリッツ・スチルの二つです。これが最も小さい蒸留所、と言われる所以です。

Royal_lochnagar1 さて最も小さい蒸留所の一つでありながら、高い評価をえているRoyal Lochnagarは、どんな味わいでしょうか?!

色はやや濃いアンバー色で香りは少し刺激のあるものでした。まずストレートで試してみました。最初は舌に刺激がなく優しい味わいと感じましたが、口の中で温まると次第に刺激が強くなりました。ロックでも試しましたがかえって飲みやすく思いましたが、のど越しに辛口の余韻が残りました。

[メモ] 40% Highland Single Malt Scotch Whisky

     Produced in Scotland by The Royal Lochnagar Distillery

                Crathie, Ballater, Aberdeenshire, SCOTLAND

 

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日本酒・八重垣 純米吟醸 山田錦

Yaegaki04 今回取り上げるのは、「八重垣 純米吟醸 山田錦」です。

このお酒は酒米として定評のある山田錦を使い、しかも純米吟醸酒ですから、かなり期待できます。この「八重垣 純米吟醸」を造る酒造は兵庫県姫路市林田にあるヤエガキ酒造ですがカタカナ表記の名前はユニークですし、兵庫県は山田錦の原産地でもあります。それでは酒造の歴史をたどってみましょう!

Yaegaki01 歴史は何と大阪冬・夏の陣にまでさかのぼります!    この戦いで功績があった建部政長が1万石の大名に取り立てられ、1617年に播州林田藩を開きました。以後明治の大政奉還まで約250年間建部氏が治めたのです。この間農業、商業、学問の奨励などを行い藩は繁栄しました。そして開藩から約50年後の1666年に長谷川栄雅が酒屋と材木商を始めたのが酒造の始まりとのこと。ですからこの酒造は約350年余続いているのです。現在の銘柄は明治14年に「八重墻(やえがき)」として売り出されました。このネーミングは、スサノオノミコトが八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治し結婚・家を建てたとき読んだ歌『八雲立つ出雲の八重墻・・・』からとったそうです。【垣】という字が旧字体の【墻】であることが歴史を感じさせます。その後大正3年に長谷川合資会社に改め、昭和38年には現在の社名アラガキ酒造(株)に変更し現在に至っています。

Yaegaki02日本酒は酒米、仕込み水、そして仕込みの技の三拍子がそろうことが銘酒の条件と言われてます。酒米の【山田錦】は昭和11年に兵庫県立農業試験場で誕生しましたが、背が高くて粒が大きく心白が大きい(心白とは米粒の中心にあるデンプン質が粗い部分で、麹菌の菌糸が入り易く醸造に適している)特徴があります。しかし背が高いために風で倒れやすく、心白を大きくするためには昼夜の温度差が大きいことも大切で、このため栽培される場所が限られ兵庫県の六甲山系の裏側山間部、播磨平野などが原産地とされています。

Yaegaki03 次に仕込み水ですが、この地方を流れる揖保川の支流で酒造の近くを流れる林田川の伏流水を使っているとのこと。この水は【千寿の水】といい軟水で酒造りには欠かせないものとなってます。なお一般にミネラルを多く含む硬水で仕込むと辛口の【男酒】、ミネラルの少ない軟水で仕込むと甘口の【女酒】になると言われていますが、一概には決められないとか。そして最後は仕込みのわざで、この酒造では寒の仕込みに際して、蓋麹法という小さな杉の平箱に麹を小分けし一つひとつの箱の麹の状態を見極め、蔵人が微妙に変化する麹と対話しながら手作りで仕込むことを長年行っているそうです。

Yaegaki05 さて今回試飲する「八重垣 純米吟醸」は、スローフード・ジャパン主催第7回燗酒コンテストで専門家が燗の温度40~45度でブラインド審査をして最高の金賞を獲得したとか。飲み方のお勧めは常温かぬる燗なので、先ずは常温で試してみました。香りはあまりありませんが、口に含んでも刺激がなく口の中で温まると辛口の味わいがゆっくりと広がりました。またぬる燗でも飲んでみましたが、ほんのりした吟醸香がありぬる燗のため口に含むとダイレクトに辛口の味わいがきました。『軟水仕込みだから【女酒】で甘口』とは言えない、しっかりとした辛口の味わいでした。

 

[メモ] 15度、米(国産)、米こうじ(国産米)、

     山田錦100%、精米歩合65% 製造年月2019.4

     ヤエガキ酒造株式会社   yaegaki.co.jp

     兵庫県姫路市林田町六九谷681

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余談 コーヒー豆の自家焙煎

このブログでは、お酒について酒造の歴史や取り組み、土地柄などお酒にまつわる情報をまとめています。そしてそのお酒からちょっと離れた話題を【余談】というコーナーで随時提供しています。今回はその【余談】だけで記事を書くという大胆な?企画です。しかしこのように大上段に構えたものの今回はお酒の話題から離れて、私が長年やっているコーヒー豆の自家焙煎について紹介したいと思います。

Photo_20190705214301 私がコ ーヒー豆の自家焙煎を始めたのは30代後半ですから今から35年位前です。東京・新宿の「アラビカ珈琲」の店頭で黄土色したコーヒーの生豆を売っており、焙煎用の【ハンドロースター】(網で造られフライパンの形で、はじけた豆が飛ばないようふたが付いている・写真参照)を購入し我が家で焙煎にトライしました。しかしこれが妻には大不評!・・というのも、コーヒー豆の皮がガスレンジの周辺に飛び散り、掃除しても完全に取り除くことが出来なかったのです。このためハンドロースターによる焙煎はたまに行う程度で、ほそぼそと続けたもののその後中断しました。

1_201907052222011_20190705214401 それが約10年前、ある職場でコーヒー博士のO氏に出会ったのです。O氏は自宅に本格的な焙煎機を所有しコーヒー豆はネットで直接買い付ける、という私から見ると雲の上の存在のような人でした。そこで私も焙煎機を買いたいと思って調べましたが、安くても10万円はするので諦めました。そしてO博士と雑談をしていた時オーブントースターを改修したらどうだろう、というアイデアを思い付いたのです。オーブントースターなら熱源が簡単にとれ、焙煎は簡単に出来そうです。とは言え生豆を均一に焙煎するにはどうすればいいのか?!・・・そこで思いついたのが生豆を入れる籠を作りその籠をトースターの中で回転させる、というものです。籠を回転させ取り出す必要があるので、回転用ハンドルと籠の接続には磁石を使うことにしました。こうした考えで製作した第1号器を写真に示します。トースターはスーパーの安売りで買ったので1000円、あとは金網、磁石など材料費が1000円弱で基本的な機能のトースター焙煎器が出来ました。O博士によると焙煎は【最初低い温度でむらしを20分位、そして豆に火が通りだしたら一気に温度を上げてパッチという大きな音がピチピチという小さい音になったら完了】というものでした。つまり温度調節機能が必要なのです。ネットで探すとパワー半導体を使った電力制御器を売っていました。それが何と500円で部品とプリント基板も付いていたのです。早速購入したものの送料が同じだけかかったので温度調節器に1000円、合計3000円で簡易焙煎器第1号が出来ました。実際に試してみるとハンドロースターのように皮が飛び散ることもなくその点は良かったのですが、豆に焼きむらがあるように感じました。生豆が籠の中でもう少し動いて均一に焙煎できれば良いと思ったのです。

Photo_20190705214401Photo_20190705214402 そこで籠がトースターの中で回転しながら上下に動く ように工夫したのが写真に示す2号器です。原理は簡単で、籠の一方の支点を中心からずらすことにより籠の片方が上下して生豆が上下左右に動くようにしたのです。この2号器は廃物利用品で電力切替スイッチがついているので、最初500wでむらしをかけ次に1000wにして一気に加熱すればよく操作がシンプルになりました。ただ籠をトースターの中で上下動させるため小さくしたので、一回で焙煎できる生豆は60~80g位と少なくなりました。

Photo_20190705214302 最後に陶器製のハンドロースターを紹介します。これは私の娘からプレゼントされたもので、使い方は金網製のハンドロースターと同じです。ただ陶器があたたまっているため、焙煎が終わった時から豆を取り出すまでに時間がかかると、焙煎が更に進んでしまい深煎りとなってしまいました。このように使いこなすまでにはもうすこし経験を積む必要があるように思いました。

 

 

 

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