« 芋焼酎・せごどん | トップページ | 新世界ワイン »

黒糖焼酎・龍宮

Route58先日新聞記事で国道58号線の話題を読みました。
この国道58号線は鹿児島市から那覇市に至る国道で、1972年5月沖縄が本土復帰した時に国道に指定されました。国土交通省のホームページによると最長国道は東京・青森間855kmの国道4号とのことです。一方国道58号の総延長距離は884kmで一番長いのですが、実は海上区間が約600kmあって、陸上区間は300km弱で残念ながら日本一とは認められなかったようです。国道58号線は、鹿児島市内では西郷隆盛の銅像のある中央公民館前交差点を起点とし、そこから鹿児島港の手前までの700mしかないとのこと。以降はフェリーなどの海上区間と種子島、奄美大島を通り沖縄本島の陸路とで構成されるのが国道58号線なのです。
Ryuguu1実は長々と国道58号線の話題を述べたのは、この国道沿いの奄美大島に今回取り上げる黒糖焼酎「龍宮」を醸造する冨田酒造場があるからです。この冨田酒造場は、戦後奄美諸島が米軍政下にあった1951年に創業した小さな蔵で、昔ながらの手間暇のかかる【甕仕込み】にこだわった酒造です。
さてその【甕仕込み】ですが、先ず540リットルの大甕32個に洗った米に黒麹菌を加えて仕込み1週間かけて酒母づくりをします。更に溶かした黒糖を大甕に加えて2週間発酵させもろみを造ります。そしてこのもろみを蒸留してアルコール度39~44度の原酒が造られます。ここで加えられる黒糖はサトウキビから造られ、当然その土地(島)の気候・風土によって違いがあり、その差異が出来上がる黒糖焼酎の味わいの特徴となります。
例えば波照間島や多良間島では雨が少なく塩分のほろ苦さが出るため、黒糖焼酎の酒質はキリッとした潮風を感じるものとなっているそうです。これに対して徳之島では雨が多いため出来上がった黒糖焼酎は柔らかく上品な味わいとなる、とのこと。
異なる島のものを味比べしてみるのも面白いでしょう!
さて今回の「龍宮」は、どんな味わいでしょうか?!
Ryuguu2先ずラベルが『にぎやか!!』という印象です。龍の絵付けがされたラベルに【幸福健康円満】、【商売大繁昌】の赤い文字が躍ってます。更に『今ここ常住健康常住大繁昌・・・・・・・常住歓喜常住調和の海なり。常住神の国なり。』と文章が続いています。
要するに『この地はいつも健康で大繁昌、・・・喜びに満ち溢れている』といった故郷賛歌です。
さてその呑み心地は?
香りは少し独特でやや鼻にツンとくるものでした。これはちょっと好き嫌いに分かれそうです。そして水割りで試してみました。
「龍宮」は波照間島や多良間島のサトウキビからとれた黒糖を使っているそうです。前述の【キリッとした潮風を感じる】味わいを感じるはずでしたが、私には独特の香りのあるのど越しにやや辛口の余韻が残るものでした。

[メモ] アルコール分 30%、黒糖(国産)、米こうじ(国産米)
    有限会社 冨田酒造場
    鹿児島県奄美市名瀬入船町7-8
    Tel 0997-52-0043

【余談】 焼酎の渡来ルートについて
    鹿児島大学客員教授の鮫島吉廣氏によると、①琉球経由説(中国か東南アジアから琉球に伝わり薩摩へ)、②対馬経由説(朝鮮半島から対馬へ)、③倭寇説(海賊の倭寇によって中国から薩摩へ)、の3つがあり、いずれも時期は15世紀中ごろと推定されるとのこと。鮫島氏は、中国と朝貢貿易を行っていた琉球には中国文化が伝わっていたので、焼酎の伝来は①の説がいちばん筋が通っているとしています。
しかし17世紀以降琉球を支配した薩摩藩には米と黒麹で造る泡盛の記録が全く残っていないので、薩摩藩は蒸留の仕組みだけ取り入れ焼酎造りは清酒をベースに独自に編み出したのではないか、との考えを述べています。

|

« 芋焼酎・せごどん | トップページ | 新世界ワイン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 黒糖焼酎・龍宮:

« 芋焼酎・せごどん | トップページ | 新世界ワイン »