« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »

芋焼酎・不二才(ぶにせ)

Bunise2鹿児島県の佐多宗二商店が造っている芋焼酎「不二才」は私の好きな芋焼酎の一つです。
これまでに2回(2006年12月と2009年10月)このブログで取り上げています。今回取り上げるのは、この酒造が従来からの【直接加熱蒸留器】(写真左)の他に【間接加熱蒸留器】(写真右)も導入しているとのことなので、これらの蒸留器の特徴や違いを紹介しようと思います。
Bunise4Bunise5芋焼酎の場合、材料のさつま芋を蒸し麹を加えて麹菌の作用で発酵させます。この状態を『もろみ』といい、日本酒の場合・・・もちろん原材料はお米・・・【もろみ】から日本酒を搾り出しますが、焼酎ではこの【もろみ】を加熱しアルコール分を蒸留・抽出します。・・・でこの加熱を直接行う方法は古くからあって【もろみ】の中に直接蒸気を入れて粘性のある芋焼酎のモロミを攪拌しながら加熱・蒸留するものです。これに対して間接加熱蒸留法は、蒸留釜が2重構造になっていてモロミが入っている釜の外側に加熱した蒸気を送って間接的にモロミを加熱・蒸留する方式です。蒸留後の特徴としては、直接加熱では蒸気を釜の中に入れるので蒸留後のモロミの量が増えます。一方間接蒸留ではアルコールが揮発した分だけモロミの量が減ってしまいます。
1908年(明治41年)創業のこの酒造では、昭和62年以降順次直接加熱蒸留器を導入し現在5基が、そして平成18年から間接蒸留器を設置し現在は3基稼働しています。つまり全部で8基の蒸留器が焼酎造りに励んでいるのです。
Bunise3さて、加熱方式の違いで焼酎の味わいは変わるのでしょうか!?
『蒸留してしまうんだから味わいに違いは無いんじゃないかな?』と私は思うんですが、どうでしょうか。実は私のような疑問?に応えるためでしょうか、酒造では【Complete Box】という商品を出しています。これは同一日に仕込んだモロミを同じ日に8基で別々に蒸留した焼酎をパッケージにしたものです。これを飲み比べれば私の疑問も晴れると思いますが、その結果は後日に・・・
さてこの「不二才」、蒸留方法は明記されてませんが、どんな味わいでしょうか?
お湯割りにして飲んでみましたが、意外と優しい味わいでした。以前飲んだ時の印象はしっかりとしたガツン系でしたが・・・。「不二才」とは、鹿児島県の方言で「ぶ男」という意味だそうです。なのでこの「不二才」は顔は悪いけど心は優しい・・・まるで私のような・・・焼酎と言えそうです。

[メモ]  25度 さつま芋(南薩摩産黄金千貫)、米麹(タイ産米)
      有限会社 佐多宗二商店
      鹿児島県南九州市頴娃町別府4910番地
      Tel 0993‐38‐1121  http://www.satasouji-shouten.co.jp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本酒・真澄 樽酒 純米あらばしり

Masumiar1今回は、長野県諏訪市・宮坂醸造の「真澄 樽酒 純米あらばしり」です。
「真澄」については2011年10月のブログ「真澄 純米吟醸」で、諏訪地方を治めていた高島藩の藩士であった宮坂醸造の祖先が1662年に武士を辞め(脱サラし)酒屋を始めたことを紹介しました。以来350年余高島藩御用達の酒屋としてそれなりに発展したのですが、江戸時代末期になると経営が思わしくなくなり明治・大正にかけては貧乏酒造として借金のかたに酒蔵を差し押さえられた時期もあったそうです。
Masumislide2最大のピンチは大正中期に現社長の曽祖父が倒れてその息子宮坂勝氏が跡を継いだ時でした。廃業が検討されたそうですが、『日本一の美酒を醸すしかなし』として当時(1919年)まだ20代半ばだった若者窪田千里氏を杜氏に抜擢し、二人三脚で酒造りに取り組むことにしました。そして二人の努力の結果1943年には全国清酒鑑評会で一位を獲得することが出来たのです。
Masumikagami宮坂勝氏は、朝9時に出社しきき酒をして泥酔。更に夕方からも泥酔するほどきき酒、という生活を毎日続けていたそうです。
ところが驚いたことに氏は酒に弱く酒好きではなかったそうです。普通なら体をこわしてしまうところですが、95歳まで生きて長寿を全うしたそうです。まさに宮坂勝氏と窪田千里氏は酒造の発展に貢献した【中興の祖】です。なおブランド名の「真澄」は、諏訪大社の宝物館に収納されている【真澄の鏡】から命名されたとのこと。この鏡は神様だけが映ると云われてますが、さてどうでしょうか・・・?
Masumiar2この「真澄 樽酒 純米あらばしり」は、東京・狛江市の籠屋で買い求めたものですが、ラベルには【詰替者 秋元商店】となってました。秋元商店とは籠屋さんのことなので、要するにこのお酒は籠屋さんで瓶詰したということです。これは私の想像ですが、樽で購入して瓶に小分けして販売しているようです。
ラベルには『あらばしり』とありますが、これはどんな意味か?
清酒の醸造工程では、原材料である酒米、米こうじに水を加えアルコール発酵させると全体がドロリとした【もろみ】になります。
このもろみを袋に小分けして絞って清酒を取り出します。・・・この工程を上槽と言います・・・。現在は自動圧搾機で効率よく絞っていますが、昔は袋詰めした【もろみ】から自然に流れだしてくる清酒を【あらばしり(荒走り)】と言い、絞り滓(かす)が混じっているのであまり良い意味では使われていませんでした。しかし最近では新酒の新鮮さを表す言葉として使われるようになっています。
ではこの「真澄 純米あらばしり」はどんな味わいでしょうか?
早速試してみましょう!
生酒で【要冷蔵】なので冷酒で飲んでみました。口に含むと最初少し酸味を感じて、口の中で温まるにつれて甘味が増してきました。でものど越しには辛口の余韻が残りました。このように味わいの変化を楽しめるお酒です。ただし生酒で冷酒!なので口当たりが良く、ついつい飲み過ぎてしまいました。

[メモ]  純米酒(生酒)  17度、原材料/国産米、米こうじ(国産米) 
      精米歩合60%
      宮坂醸造株式会社
      長野県諏訪市元町1-16

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »