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秩父の地酒2・特別純米 秩父錦

Chichibun4前回は「秋あがり 無濾過原酒 秩父錦」を楽しみましたが、今回は特別純米の秩父錦を飲んでみました。
前回は酒蔵の歴史について紹介しましたが、肝心のお酒そのものについて述べなかったので、まずはその特徴から・・・
先ず第一に挙げられるのは、酒造りに適した自然だと考えます。秩父地方は寒暖の差・・・一日の温度差も、冬と夏の気温差も・・・が非常に大きく、酒造りに適した環境に恵まれていることです。
次に良質な水に恵まれていることでしょう!埼玉、山梨、長野の3県が接する甲武信ケ岳(こぶしがたけ)に源を発する荒川水系の水と、秩父山系の雪解け水が山肌にしみ込み樹林と石灰層に浄化されて、ミネラルを含んだ石清水に恵まれているのです。そして最後は厳選された酒造好適米を使っていることで、兵庫の山田錦や長野の美山錦が使われています。
Chichibumatsuriこのほかに私は秩父の土地柄が、秩父の地酒を磨いてきたように思います。・・・というのも、秩父地方には数多くの神事、お祭りが行われ・・・特に秩父夜祭り(写真左)などは有名です・・・、神事等には日本酒が必須だからです。こうした酒造りに適した自然環境と人々の営みが相まって、秩父の地酒を旨い酒に造り上げた、と私は考えます。
そして寛延二年(1749年)に創業した酒造は、手造りの伝統ある酒造りの技術を生かし磨きあげ、芳醇なコクのあるお酒として定評を得ているのだと思います。
さて今回の「特別純米 秩父錦」はどんな味わいでしょうか!?
Chichibun5この「特別純米」は秩父錦の中では最も人気が高いそうですが、データ的には、美山錦を使い60%まで精米、アルコール度は15%、日本酒度+2.0、酸度1.5に仕上げてあります。
ここで日本酒度は酒の甘辛の感じを左右しますが、0を中間とすると+2はほんの少し辛口の味わいになるようです。・・・なお【マイナス】が大きくなると甘口になる傾向があります。
次に酸度ですが、値が大きければ「こくがある、濃醇」、小さければ「さっぱり、淡麗」の味わいになるとのこと。・・・このデータは、「純米酒を極める」上原浩著・光文社新書の【日本酒度と酸度の関係から見る酒の味】(同書188頁)によると『淡麗辛口』となりますが、さてどんな味わいでしょうか?!
早速試してみましょう!
ラベルに記載されている「特別純米 秩父錦」の飲み方は、常温と冷やしてがお勧め(◎)で、私が好むぬる燗は〇でした。・・・なので先ずは常温で飲んでみました。口に含むと刺激が無くまろやかな感触!そしてのど越しにちょっぴり辛口の余韻が残りました。全体に優しい味わいのお酒でした。次に冷酒にして飲みました。冷たくしても口当たりが良くて飲みやすく、のど越しに辛口の余韻が少なく「あっさり系」のお酒でした。

[メモ]  15度以上16度未満、原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
      精米歩合 60%
      株式会社 矢尾本店
      埼玉県秩父市別所字久保ノ入1432番地
      Tel 0494-22-8811   http://www.yao.co.jp/


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秩父の地酒1・秋あがり 秩父錦

Chichibumori410月の晴れた或る日、秩父市の酒造巡りをしました。
秩父市には秩父錦と武甲正宗、と二つの銘柄があります。
先ず最初に秩父錦を訪ねました。秩父市の郊外を流れる荒川にかかる長い巴川橋を渡り山側に上ると中腹に【酒づくりの森】がありました。ここには、秩父錦の酒造場、酒蔵資料館、観光物産館があり、私は先ず歴史を知るために資料館へ!   
Chichibumori1・・・入ってみて驚きました!!この酒造は寛延二年(1749年)創業ですが、その当時の書類が展示されていたのです!創業者は矢尾喜兵衛ですが、近江商人を輩出した滋賀県の出身で、彼は次男であったため10代の半ばに家を出て、故郷から遠く離れた秩父の日野屋に丁稚奉公しました。勤勉に働き蓄財し寛延二年に酒造りを行うため独立したのです。資料館には、当時の役所への申請書?が展示されていて、説明によると『造った酒の石数に応じて納税する』という趣旨の文書だとのこと・・・もちろん毛筆、しかも達筆!・・・。このほか展示館には当時の酒造りの工程がジオラマでリアルに再現され、またいろいろな木製の道具も展示されてました。
Chichibumori2その中で明治の初期に撮ったと思われる集合写真が展示されていて、創業家を中心に酒造で働く人々が写っていました。
酒の仕込みが終わった冬の写真のようで、創業家の人達は足袋に下駄を履いてましたが、下働きの小僧さんは素足に草履でした。創業者はこうした小僧時代を頑張って一国一城の主となったんだな、とそんな感慨を起こさせる写真でした。更にこの資料館の2階から現在醸造している秩父錦の熟成庫が見学できました。近代的なクリーンルームで、それぞれに温度計が設置され温度管理されている様子が分かりました。
最後に物産館に入りましたが、いろんな秩父錦が販売されていたほかワイン、焼酎までも!更に酒饅頭やワインを仕込んだパウンドケーキなども!!
Chichibun1Chichibun2そこで私は「秋あがり 秩父錦 特別純米 無濾過原酒」と「秩父錦 特別純米酒」の二つを購入しました。
今回は「秋あがり 秩父錦」を飲んでみました。私の好きな純米酒で、しかも無濾過原酒!濾過せず火入れ(加熱殺菌)後水を加えない原酒で、しかも瓶貯蔵して夏を越した【秋あがり】ですからしっかりした味わいが期待できます。早速ぬる燗で試してみました。やや強い甘い香りがして、口に含むと純米酒特有の甘みがあるものの、のど越しは辛口の余韻が残り期待にたがわぬしっかりした味わいでした。
Chichibun3アルコール度が高い原酒なので冷酒にしてみましたが、口当たりが良く口の中で温まるにつれてしっかりした辛口の味わいを楽しむことができました。冷酒は飲みやすいのでつい盃を重ねてしまい酩酊してしまいました。

[メモ] 19度以上20度未満、美山錦、精米歩合60%
     酒度 ±0(中口:甘さと辛さの中間)、酸度2.0(濃い口)
     株式会社矢尾本店
     埼玉県秩父市別所字久保ノ入1432
     Tel 0494-22-8787 http://www.yao.co.jp/chichibunishiki/top.htm

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