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芋焼酎・夢音(ゆめおと)

Yumeoto1今回は、父の日にもらった芋焼酎「夢音」を飲んでみました。
ラベルには、『吉田類 撰』の文字が!! 
【吉田類】といえば、BS-TBSの番組【酒場放浪記】に出演しブレークした高知出身の詩人です。番組では、口ひげを生やし黒づくめの服装に黒のベレー帽、とかなり気障なスタイルで、当初は東京を中心に酒場を訪ねてましたが、最近では全国に展開して今やBS-TBSの人気番組の一つです。
番組の魅力は何でしょうか?!吉田さんが訪ねる酒場(高級ではなく、焼き鳥などの大衆酒場!)の紹介もさることながら、最後に顔を赤くした吉田さんが後ろ手に組んで一句詠みながら・・・キザですねぇ・・・『もう一軒』と去っていくお約束の場面で、視聴者は安心して別の番組にチャンネルを合わせるのかもしれません。
Yumeoto2さて【吉田類の酒王】というブログをのぞいてみると、2010年6月23日の記事に芋焼酎「夢音」が紹介されてました。それによると「夢音」という名前は俳句仲間の俳号を使ったとのこと。そして飲み方は、夢音6に水4の割合でグラスに満たし、そこにかち割り氷を入れるのが良いとのこと。こうすると、『芋の葉に溜まった朝露を飲む心地がして、のどもとで熱くはじける感じがする。』・・・と、詩人らしい表現をしています。
更にラベルには『あわ雪の夢や たびじの果なれば』との【吉田類】の俳句が載っています。この句の意味は、『夢音を飲んだ時芋焼酎の味わいがふっと消える感覚があり、それがあわ雪のイメージに重なった。』とのこと。なるほど!・・・でも私のような凡人にはちょっとついていけない詩人の感覚です。
ところでこの「夢音」を造っている丸西酒造はどんな酒造でしょうか?
Marunishi1資本金は156万円、従業員は13名と、とても小さな酒造です。
でも大正5年(1916年)の創業と言いますから、長い歴史があります。その歴史は明治時代に【開田事業】が始まったのがきっかけだそうです。【開田事業】とは、酒造のある蓬原地区は水資源が乏しいシラス台地にあり、ここに上流で取水した水を導き広大な田畑にする事業で、結局昭和24年(1949年)に完成しました。この【開田事業】が始まったころに焼酎造りの機運が高まり、多くの小さな焼酎蔵が出来たとのこと。こうした蔵の一つが丸西酒造で、創業当時の仕込み甕壷を使い昔ながらの手作りで焼酎を造っています。
開田事業によって出来た豊かな田畑で育った良質なさつまいもを材料に、仕込み水にはシラス層でろ過された甘く柔らかい菱田川の伏流水を使っているそうです。
Marunishi3なお酵母は「蔵つきの酵母」・・・つまり古くから蔵に存在している酵母・・・を使っているそうで、昔ながらの手作り焼酎の伝統を守り続けているとのこと。そのためでしょうか?!商品には熟成した古酒を使った「むかしむかし」とか、「うなぎ」や「小さな小さな蔵で一生懸命造った焼酎です」というネーミング(黒、白、紅、黄のそれぞれ麹で造ったもの)など、ユニークな名前の焼酎を造っています。右は丸西酒造を紹介する写真で、ネットから借用しました。
さてどんな味わいでしょうか?
先ずは定番のお湯割りで試して、次に前述の吉田類方式で飲んでみましょう!
お湯割りにすると芋焼酎らしい甘い香りがしましたが、そんなに強くなくほんのり匂う程度でした。口に含むと辛口のしっかりした味わい。これは黒麹を使っているためでしょう。次に類方式で試してみました。水割りだとお湯割りのような香りは出ませんが、口に含むと辛口の中にほんの少し甘味を感じました。でも朝露を口に含んでいるような感触はありませんでしたねぇ・・・吉田類さんのような微妙な味わいを感じるのはちょっと・・・。

[メモ] 25度、原材料:さつまいも、米こうじ(タイ産)
     丸西酒造合資会社  http://marunishi-shuzo.com/
     鹿児島県志布志市有明町蓬原1397-1番地

    吉田類 夢音 http://sakeo.shopdb.jp/2010/06/blog-post_23.html

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ウィスキー・グレンマレイ(Glen Moray)

Glenmoray1久しぶりにスコッチ・シングルモルト・ウィスキーの「グレンマレイ(Glen Moray)」を飲んでみました。スコッチのシングルモルトは歴史のあるものが多くて、今回の「グレンマレイ(Glen Moray)」も1897年創業ですから、100年以上の歴史があります。蒸留所はスコットランドの北海に面したスペイサイド地域にあり、この小さなエリアに大小様ざまな蒸留所・・・50余と言われている・・・がひしめいています。
なぜこの狭い地域に多くの蒸留所があるのでしょうか?先ずスペイサイドには大きなスペイ川のほか多くの川があり、従って渓谷も多く水に恵まれていることが挙げられます。・・・なおスコットランドの古い言葉・ゲール語で「谷」をGlen(グレン)と言い、GlenFiddich(グレンフィディック)、The GlenLivet(グレンリベット)、そして今回のGlen Morayなど、Glenを冠したシングルモルトは多数あります。そしてもう一つ、この地ではウィスキーの原料である大麦は良質のものが収穫できるとのことです。更にもうひとつ・・・この地でウィスキーの密造が盛んだったこともあると私は考えています。
Glenmoray02実はこの密造には歴史的な背景があります。1707年、スコットランドはイングランドに併合されました。スコットランドの人々は支配に逆らい二度にわたって反乱を起こしましたが、1746年に完全に敗北し徹底的に弾圧されました。その当時弾圧された人たちがスペイサイドに逃れ、生活のためにウィスキーの密造を始めた、と言われてます。
つまり当地は原料である水や大麦に恵まれたほか、反逆者をかくまい原材料を提供した地元の人々とともにウィスキー造りがひそかに行われてきたのです。
その後時代とともにウィスキー造りは合法化され、スコッチウィスキー、シングルモルトなど、今日の世界的な評価を得ることとなったのです。
さてここで簡単にグレンマレイ蒸留所の歴史を振り返ってみましょう!
Glenmoray3先に述べたように創業は1897年ですが、実はそれ以前1828年にビール製造を始めています。それはこの地で良質の大麦が収穫できたからでしょう。そしてウィスキーがブームとなったので、1897年にウィスキー蒸留所に転換したそうです。その後1910年にいったん閉鎖され、1920年に再開。蒸留所のオーナーも変遷し今はフランスの会社が所有しています。現在設備の拡充を行い、生産量は2012年330万リットルだったのが、2016年には550万リットルを見込んでいるそうです。
さてこの歴史ある蒸留所!ただ伝統を守るだけでは無いようです。1958年から20年間、サラディン式という製麦法(麦芽造りのこと)を取り入れてました。これは大きな部屋の床を四角に区切り、そこに大麦を入れ床下から空気を送って攪拌しながら麦芽をつくる方法で、当時としては非常に効率的であった、といわれています。
Glenmoray2グレンマレイの公式ホームページを見ると、伝統のクラフトマンシップが強調されていますが、ただ古い方法を守るだけでなくサラディン式の麦芽造りなどいろいと工夫しながら運営されているのがわかります。
では早速試飲してみましょう!
色はうすい黄金色で香りに少し刺激がありました。口に含んでも舌先に刺激がなくまろやか。ただのど越しに辛口の刺激を感じました。全体にやさしい味わいでした。
シングルモルトというと個性が強いとの印象がありますが、これは誰にでも好まれるのではないでしょうか!そういえばスペイサイドの代表的な銘柄「マッカラン」も同じようなテイストだった、と記憶してます。

[メモ]  40%、
     Glen Moray Distillery Limitted
     Elgin Scotland
http://www.glenmoray.com

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日本酒・純米大吟醸 夢風

Yumekaze1今日は秋田の地酒、純米大吟醸「夢風」を紹介します。
ただここで「地酒」というのはどうかな?という気がします。・・・というのは、このお酒は首都圏の生活クラブが共同で秋田県にかほ市の酒造「飛良泉本舗」と共同開発したものだからです。
ではなぜ首都圏の生活クラブがわざわざ秋田の酒造と共同開発したのか?との疑問が湧いてきます。これは首都圏の生活クラブ(東京、神奈川、埼玉、千葉)が共同で自前のエネルギーを確保するとの思いから、にかほ市に風車を2012年3月建設したことがきっかけとのこと。そしてにかほ市の生産者と交流を深めるなかで、酒造と検討を重ねた結果出来たのが生活クラブオリジナルの『純米大吟醸・夢風』だったのです。
なお銘柄は風車の愛称【夢風】と同じにしたとのこと。
Hiraizumi4_2ではこの「飛良泉本舗」とは、どんな酒造でしょうか?!
創業は、なんと1487年!京都の銀閣寺が創建された年です。
この酒造は秋田県では最古、日本でも三番目に古いとのこと。
当時にかほの平沢港は日本海に面し北前舩の寄港地として発展しており、もとは廻船問屋の「和泉屋」が酒造りにも事業を広げ、当初「金亀(きんき)」という銘柄で造っていました。では現在の「飛良泉」になったのは??これには諸説あるようですが、ひとつは、地名が平沢だったので『ひらさわのいずみ屋のお酒』と言われたから『ひらいずみ』となったという説。もうひとつは、地元の画工が越後の良寛和尚に酒を『飛びきり良い白い水』としたためて献上したことから、【飛】と【良】、そして【白い水】の字を重ねた【泉】から、「飛良泉」とした、という説。
二番目の説は後から創作したようにも思えますが・・・まぁ良しとしましょう!!
Hiraizumi2さてこの酒造の特徴は?というと、まず第一に山廃仕込みが挙げられます。「山廃」とは、「山卸」という工程を廃止した仕込み方法で、環境の変化に耐え安定した発酵を促す山廃酵母を使っています。なお「山卸」とは、日本酒のもととなる酒母を桶に入れ櫂棒で蒸米をつぶさないように摺る工程で、寒い冬の深夜に一晩中行うハードな作業です。この工程が新しい酵母の開発で廃止することができたのです。
次の特徴は、仕込み水に鳥海山系の伏流水を使っていることです。この伏流水は硬水でミネラルが豊富、しっかりした味わいとなるとのこと。
なお話が横にそれますが、酒造の仕込み蔵の横に樹齢500年になる大きな欅(けやき)があり、夏場の日光を遮り蔵の温度を低く保つ効果があるとのことで、歴史ある酒造らしいエピソードだと思います。
Yumekaze2さて「純米大吟醸 夢風」は、どんな味わいでしょうか?
早速試してみましょう!
まずはぬる燗で・・・香りは少し酸味を感じる独特のものでした。
口に含むと舌先に刺激がなくまろやかな感触。のど越しにちょっと酸味を感じたもののしっかりとした味わいでした。存在感のあるお酒とでも言うんでしょうか、食中酒として肉料理などに合わせて飲んでも良いかもしれません。

Yumekaze0【余談】 風力発電量について
   にかほ市に設置した風力発電について、生活クラブでは発電量を公表しています。2014年のデータによると、冬場は88万kWH(12月)になるものの、夏には22万kWH(8月)に落ちています。つまり年間を通して発電量が一定でなく、電力会社が送電接続を拒否する理由の一つと言われてます。しかし夏場は太陽光発電量が増えるはずで、こうした自然エネルギーを組合せることで安定供給は可能だと思います。一方原子力発電のように安定供給は可能でも核燃料廃棄物処理がままならない現状を考えると、我が国はより多くの自然エネルギーの活用を考える段階にきていると思います。

[メモ] 16度、原料米:秋田酒こまち(秋田県産)100%使用、
    米麹(国産米)、精米歩合:50%、日本酒度:+2.0、
     酸度:1.6  2016年4月製造
     株式会社 飛良泉本舗
     秋田県にかほ市平沢字中町59
     
   

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