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諏訪の地酒3・真澄

Masumi諏訪の地酒の中で唯一全国的に知られている銘柄かもしれません。そして東京でも手に入れることが出来るので、ご存知の方も多いかもしれません。
真澄の宮坂醸造は1622年に当時諏訪地方を治めていた高島藩の御用酒屋として創業したとのこと。興味深いのは、高島藩の藩士であった宮坂家の先祖が戦乱の世の中に嫌気がさし酒屋を始めたといわれていて、今で言えば脱サラです・・・関が原の戦いが1600年ですから、当時はまだ世の中が騒然としていたのでしょう。でもその後400年近く江戸時代、明治、大正、昭和、平成と歴史の荒波を乗り越えて今日があることを考えると、宮坂家のご先祖様の大英断は正解でしたね!!
さて今回取り上げる「真澄」は山廃つくりの純米吟醸です。この「山廃づくり」とは一体どういう製法なのでしょうか?
Masumi2「山廃」とは、『山卸し廃止酛(やまおろしはいしもと)』(酛は酒母ともいい、お酒の核となるものを言います)のことですが、これだけでは何の事か分かりませんね。まず「山卸し」とは、蒸し米から酒母を造る過程で発酵を促進するために櫂という木製の道具で桶の中の蒸し米をかき混ぜることです。これは冬の深夜一晩中丹念に行う重労働であったため、明治末期になって「山卸し廃止酛」が開発され山卸しは行われなくなった歴史があります。
現在では発酵の過程で乳酸を加えるのが一般的で、乳酸で雑菌の繁殖を抑え高い温度で安定して良い酒を造れるようになってます。一方山廃つくりは、乳酸を加えず山卸し廃止酛の自然の力によって発酵を促進し酒母(酒の素)を造る方法です。・・・もちろん、自然の力といっても、温度管理など微妙な加減は杜氏が行うわけで、かなり神経を使う作業です・・・。こうすることでしっかりとした味わいのお酒が出来ると言われています。
今回飲んだのは、「真澄 山廃造り、二夏越し」です。山廃造りで醸造した酒を二夏の間じっくりと熟成させたもの!かなりしっかりとした味わいだろうと期待が膨らみます。
香はそんなに強くなく、やや穏やか感じでした。冷酒で飲んでみると少し酸味も感じながらお米の甘味もある、とても複雑な味わいでした。ぬる燗にするとまろやかさが出て、のみ心地の良いものとなりました。     是非、お試しあれ!!

[メモ]  15度、精米歩合:55%、米、米こうじ(いずれも国産)
     宮坂醸造株式会社
     長野県諏訪市元町1-16  http://www.masumi.co.jp

【諏訪の見所】 高島城
Takashimac1Takashimac2 諏訪・高島藩の城は、さほど大きくはないものの風格のある城でした。この城は、築城の名手で豊臣秀吉の家臣・日根野織部正高吉(ひねのおりべのかみたかよし)・・・長い名前ですねぇ・・・が7年かけて造ったといわれ、関が原の戦いで徳川家についた諏訪頼水が初代城主となり以後明治まで10代270年間に渡って諏訪氏の居城として使われたのです。
築城の名手が造っただけに、当時は諏訪湖の水が城の際まで迫り湖上に浮いて見えたそうで、『諏訪の浮城』と呼ばれたとか。1970年に復興された天守閣から見ると、町並みが広がり諏訪湖畔が後退して「浮城」の風情はありませんでしたが、諏訪市全体を一望でき往時を偲ぶことができます。また石垣は自然石を加工せずそのまま積み上げた「野面積(のづらつみ)」といわれる工法で、その様子を見ることが出来ます(右の写真を参照)。
宮坂醸造のご先祖様が脱サラした400年前!当時は「士農工商」の身分の中で、士から商へいわば一番の身分から最低のランクへ、大変な決断であったと思います。
考えてみれば、あの諏訪の地で宮坂醸造を諏訪家以上の年月存続させている・・・もちろん順風満帆とはいかず苦労の連続だったでしょうけど・・・これはやはり実業の力だと思います。額に汗して働く者が一番強いのだと、宮坂醸造の長い歴史が教えているのです。

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